「No!エレベーター」で便秘を卒業
リスク
2.02倍

「No!エレベーター」で便秘を卒業

エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていない人は、月に1回以上、腹痛になりやすくなるリスクが2.02倍になります。

解説

運動不足は便秘になる原因の一つ

現代社会には便利な移動手段が多く、運動不足になりがち。運動不足は足腰の筋力低下を引きおこす原因のひとつです。また、運動不足は内臓の働きにも影響を与えます。運動不足によって、慢性的な便秘症と便秘症が原因の腹痛を引きおこすことがあるのです。

便秘症には、大腸の病気や形状が原因で発生する“器質性便秘”と、生活習慣などが原因で発生する“機能性便秘”のふたつがあります。このうち、運動不足と関連があるものは機能性便秘の中でも“一過性単純性便秘症”や“習慣性便秘”です。

旅行に出かけて普段とは違う生活をしたり、進学や就職、引越しなどに伴って生活習慣が急に変わったりしたときにしばらく便秘になる、ということは誰でも経験することでしょう。精神的な緊張や運動不足などにより、一時的に排便リズムが障害されておこる便秘が一過性単純性便秘症です。一度便秘になると、生活リズムが崩れて慢性的な習慣性便秘に陥いってしまい、日々の生活で腹痛に悩まされる、ということもあるのです。

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「No!エレベーター」の運動効果

それでは、毎日どのような運動をすれば便秘を改善させることが出来るのでしょうか?忙しい毎日の中、誰でもいつでも出来る運動は階段の上り下りです。健康増進を目的にエレベーターやエスカレーターを使用しない「No!エレベーター」を推奨している企業や自治体が増えています。社会全体として健康の自己管理に取り組む傾向が強くなっています。

「No!エレベーター」では、毎日の日課で運動する機会が確実に増えます。大きく呼吸をしながら階段をゆっくり上り下りすると、少し息切れする程度の運動負荷となり、軽いジョギング程度の全身の持久性を高める運動になります。また、身体の軸を意識した美しい姿勢で階段昇降すると腹横筋や腸腰筋、多裂筋などの腹部や腰部のインナーマッスルが鍛えられます。

このように、全身の持久性を高める運動をすることで、自律神経を整えて大腸のぜんどう運動を活性化させることができます。また、腹部や腰部のインナーマッスルを鍛えることで排便しやすい姿勢を作ることもできます。毎日の「No!エレベーター」が便秘を改善させるための土台を作ってくれるというわけですね。

それだけでなく、健康を意識して自発的に運動をすると、前向きな行動の変化によって精神的ストレスをコントロールしやすくなり、ストレスが原因の胃腸の障害を改善させる効果も期待できるのです。便秘からくる腹痛を減らし、気持ちも前向きになる階段上り下り。今日からさっそく始めてみましょう。

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<参考文献>
■井村裕夫、足立壯一、岡崎和一、尾崎承一、木下彩栄、陳和夫、中井義勝、中泉明彦、藤田正俊、柳田素子編集、文光堂
『わかりやすい内科学』

■日本消化器病学会
『日本消化器病学会ホームページ』

■糖尿病ネットワーク
『糖尿病ネットワークホームページ』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていない人は、月に1回以上、腹痛になりやすくなるリスクが2.02倍になります。

A: エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていますか?
B: 月に1回以上、腹痛になりますか?

A
はい いいえ
31.7%
98人
68.3%
211人
B
はい いいえ はい いいえ
11.65%
36人
20.06%
62人
36.89%
114人
31.39%
97人
Z検定値 2.83
オッズ比 2.02
信頼度 99.5%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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