こむら返りと清涼飲料水の意外な関係
リスク
4.63倍

こむら返りと清涼飲料水の意外な関係

砂糖入りの紅茶を飲まないようにしていない人は、汗をたくさんかいた後に、足がつることがおきやすくなるリスクが4.63倍になります。

解説

こむら返りの原因とは

暑い夏にたくさん汗をかいたときや就寝時などに、いきなり足がつって痛い思いをしたことがある方もいるかもしれません。筋肉が急に収縮することを“筋けいれん”といいます。特に、ふくらはぎは筋けいれんが最も起こりやすい場所であり、ふくらはぎで起こる筋けいれんは“こむら返り”ともよばれています。

こむら返りは、水分やミネラル不足、運動不足などで起きると考えられています。水分が不足していると身体の中が脱水の状態となり、ミネラルバランスも崩れて筋肉の異常な収縮が起きる可能性があるのです。

また、運動不足の場合には筋肉が硬くなっているため、急な運動に対応できずに足がつってしまうことがあります。身体の中に存在するミネラルの中でも、カルシウムは筋収縮のきっかけになるミネラルなのでとても大切です。また、マグネシウムはカルシウムの濃度を調整する働きを持っています。

そのほか、ナトリウムとカリウムもお互いにバランスを取りながら筋肉の収縮を調整する働きにかかわっています。つまり、こうしたミネラルが多すぎても少なすぎてもこむら返りの原因になる可能性があるということです。

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砂糖のとりすぎはカルシウム不足になる可能性

こむら返りの予防に特に重要なカルシウムは、丈夫な骨を作るためにも必要なミネラルです。カルシウムは、牛乳、チーズ、バターなどの乳製品、小魚、野菜などからとることができます。野菜の中では、ケール、モロヘイヤ、小松菜、大根の葉などに多く含まれています。それらのほかにも、食事でとりやすいカルシウム源には、豆腐や納豆などの大豆製品、ひじき、ゴマなどがあります。

カルシウムはサプリメントで摂取してもよいのですが、できれば食事から摂取した方が健康のためにはよいです。最近では、ダイエットによるカルシウムの摂取不足が指摘されているので、骨や筋肉を正常に保つためにも積極的に食品からとるように心がけたいものです。

ところで、砂糖は大切なカルシウムの吸収を妨げてしまうことをご存知でしょうか。清涼飲料水や砂糖飲料水、いわゆるソーダやジュースは大量の砂糖を含んでいるため、カルシウムを尿中へ排出しやすくするといわれています。

世界保健機関(WHO)は、1日のあたりの砂糖の摂取量を摂取カロリーの10%未満にするよう勧告しています。また、同時に、健康増進のためには砂糖の摂取量を摂取カロリーの5%未満にすることを推奨しています。成人の場合、摂取カロリーの5%となる砂糖の量は25g。スティックシュガーにすると5本程度です。清涼飲料水や砂糖飲料水の中には、ペットボトル1本(500ml)を飲むだけで、この量の糖分を摂取してしまうものもあるので気をつけましょう。また、人間は冷たいと甘さを感じにくくなるといわれています。ペットボトルのアイスティーのような冷たくて甘い飲み物は、知らない間に砂糖をとりすぎてしまうことになりますから要注意です。



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<参考文献>
■骨粗鬆症財団
『予防について』

■徳島県薬剤師会
『尿路結石症と薬について』

■高見台クリニック
『電解質の役割 (16)カリウムの筋肉弛緩作用』

■港南台内科クリニック
『清涼飲料水と砂糖の関係』

執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

砂糖入りの紅茶を飲まないようにしていない人は、汗をたくさんかいた後に、足がつることがおきやすくなるリスクが4.63倍になります。

A: 砂糖入りの紅茶を飲まないようにしていますか?
B: 汗をたくさんかいた後に、足がつることはありますか?

A
はい いいえ
45.6%
141人
54.4%
168人
B
はい いいえ はい いいえ
1.29%
4人
44.34%
137人
6.47%
20人
47.9%
148人
Z検定値 2.97
オッズ比 4.63
信頼度 99.7%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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