濃い味好きはこむら返り体質のもと
リスク
4.86倍

濃い味好きはこむら返り体質のもと

塩分を控えるようにしていない人は、汗をたくさんかいた後に、足がつりやすくなるリスクが4.86倍になります。

解説

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「痛い痛い痛い!!!」足がつって突然襲ってくる激痛に夜中に飛び起きて、足を伸ばそうにも動かせなくて悶絶…。こむら返り(足がつること)体質になってしまうと、こんなことは実は珍しくありません。ものすごく痛いのに、周囲の人はなかなかわかってくれないし、深夜に痛みで目が覚めるため睡眠不足になることも。「どうして自分だけこんなことに」なんて落ち込むことさえあります。こむら返りは一時的な症状ですが、こむら返りが繰り返されると、想像以上に生活の質が悪くなる可能性があります。

こむら返りが起きたときには、ストレッチでふくらはぎを伸ばし、足を温めて痛みが鎮まるのを待ちましょう。冬は特に足を冷やさないようにして、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルと水分をしっかりとっておくことも大切です。

とはいえ、こうした対症療法だけでなく、そもそも頻繁にこむら返りが起きる“こむら返り体質”になるのを避けたいもの。実は、こむら返りは、高血圧症と糖尿病というふたつの生活習慣病で起きやすくなるんです。どちらの病気でも、食生活では減塩がとても大切になります。生活の質を悪くするこむら返り体質にならないよう、塩分が多く味の濃いものは避けるようにしましょう。

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夜中のイタタ…軽く見ないで

夜中に足がつって、激痛で飛び起きたことはありませんか?足がつること、すなわち“こむら返り”は、汗をたくさんかいて身体の中のミネラルやイオンのバランスが崩れたときや、運動で筋肉が疲れたとき、足が冷えたときに起きやすくなります。

こむら返りの多くは一時的なもので、膝を伸ばして座り、つま先をすねの方に引っ張るようにしてふくらはぎ側を伸ばしてあげるとよくなります。また、足が冷えているとこむら返りが起こりやすいので、温めてあげるとよいでしょう。横になった姿勢で、足の裏で壁などをぐっと押すという方法もあります。

こむら返りが起こるきっかけは、汗をたくさんかくなど水分を多く失ったとき、運動で筋肉が疲れた後や、脚が冷えたときなどたくさんありますが、気をつけたいのは、つま先を伸ばしたとき。特に、仰向けになって布団をかけて寝る場合です。布団の重みでつま先がまっすぐに伸びた姿勢になってしまい、この姿勢が続くと、こむら返りが起きやすいのです。膝の下に丸めたタオルなどを挟んで膝を少し曲げる、横向きになるなど、寝る姿勢を工夫してみましょう。

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足がつって気づく、怖い病気

こむら返りの原因は、筋肉の疲労や水分を失ったときに起きるミネラルとイオンのバランスの乱れ、冷えなど。特に、夜にこむら返りが起こりやすい人は、お休み前に入浴や足湯で足を温めたり、乾燥しやすい冬は寝る前に白湯を1杯飲むなど、水分補給も大切です。こむら返りは筋肉のけいれんで起きるので、お休み前にストレッチやマッサージで筋肉をほぐしてあげることも効果的です。

ですが、こうした対策はこむら返りが起きてしまった場合や、起きるきっかけを減らすための要は対症療法。それだけでなく、そもそもこむら返り体質にならないよう気をつけたいですよね。実は、こむら返りは、ふたつの生活習慣病と大きなつながりがあるのです。それは、高血圧症と糖尿病。

高血圧症の治療で一般的に処方される利尿剤の副作用に、こむら返りがあります。高血圧の場合、身体の中の余計な水分を外に出して血圧を下げる必要があるのですが、これがこむら返りの原因になります。こむら返りになるとよく「ミネラルを補いましょう」というアドバイスをされることがありますが、高血圧症で塩分制限がある場合、ミネラル補給のためでもスポーツドリンクや塩飴などうかつに口にできません。痛みをこらえて、地道なストレッチをする以外に方法がないんです。

糖尿病には、失明の原因になる“網膜症”、人工透析へとつながりかねない“腎症”、そしてしびれや神経痛が起きる“神経障害”という合併症があります。これら3つの病気は、三大合併症と呼ばれています。このうち神経障害の症状としてこむら返りが起きやすく、「頻繁に足がつるので病院へ行ったら糖尿病だった」というように、こむら返りがきっかけで糖尿病に気づく人も少なくないんです。

また、糖尿病の場合も、腎症を防ぐために塩分や血圧のコントロールが必要になります。肥満は糖尿病につながりやすいことが知られていますが、「塩辛いおかずをお供に、糖を多く含むご飯をたくさん食べる」のは、糖尿病の場合、避けたいパターンですよね。

長い目で見れば、減塩はこむら返り体質にならないために大切な努力。運動しても、汗をかいても、夜は穏やかにぐっすり眠れるよう、しょっぱいもの大好き、な食生活は今日から見直してみませんか?

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<参考文献>
■新潟市医師会
『夜寝ていて足がつる』

■厚生労働省 e-ヘルスネット
『高血圧症』

■京都大学 糖尿病・内分泌・栄養内科
『糖尿病教室』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

塩分を控えるようにしていない人は、汗をたくさんかいた後に、足がつりやすくなるリスクが4.86倍になります。

A: 塩分を控えるようにしていますか?
B: 汗をたくさんかいた後に、足がつることはありますか?

A
はい いいえ
53.4%
165人
46.6%
144人
B
はい いいえ はい いいえ
1.62%
5人
51.78%
160人
6.15%
19人
40.45%
125人
Z検定値 3.33
オッズ比 4.86
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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