ファストフードで足がつりやすくなる
リスク
3.11倍

ファストフードで足がつりやすくなる

朝食にファーストフードを食べないようにしていない人は、汗をたくさんかいた後に、足がつりやすくなるリスクが3.11倍になります。

解説

足がつるってどういう状態?

「足がつる」という状態は筋肉がけいれんを起こして縮み、ゆるむことができない状態です。「こむら返り」とも呼びますね。筋肉の伸び縮みは、脳や脊髄からの命令によって行われていますが、その調節は筋肉にあるセンサーから「今どのくらい伸びているか」または「縮んでいるか」の情報が伝えられて行われています。ところが、この筋肉からの情報が正しく伝わらないと、過剰に筋肉が縮んでしまい、足がつるのです。例えば普段以上に運動をしたり、汗をたくさんかいたり、立ちっぱなしの時間が長かったりすると、特に病気になっていない人でも足がつることがあります。

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カルシウム不足は足がつる原因に

その他に食事と関係して足がつりやすくなることもあります。まずはカルシウムです。カルシウムは骨を作る材料としてイメージされることが多いのですが、実は筋肉とも関係があります。筋肉の細胞内にはカルシウムが蓄えられている構造体があり、そこからカルシウムが放出されると筋肉が縮み、カルシウムがその構造体に吸収されると筋肉がゆるむというしくみになっているのです。

カルシウムが少なくなると、脳からの「筋肉を収縮せよ」という命令を受けやすくなり、必要がないのに筋肉が縮んでしまうことがあります。これがこむら返りにつながるのですね。では、カルシウム不足とファストフードはどのように関連しているのでしょうか。それはファストフードに添加されている“リン酸塩”という添加物に関係があります。リン酸塩は変色予防や食品のみずみずしさを助けるといった効果があります。

リン酸塩は、その名の通りミネラルの一種の“リン”を含んでいます。そのためファストフードをたくさん取ると、自然に体内のリンが増えます。ところが身体の中ではリンとカルシウムはお互いに関係していて、量のバランスを調節しています。リンが多くなりすぎるとあまりリンが増えすぎないようにする働きがあり、それに伴ってカルシウムの吸収まで抑えられてしまうのです。さらに過剰なリンは体内のカルシウムとくっついて“リン酸カルシウム”になります。この状態では身体の中にカルシウムがあっても使いにくいため、さらにカルシウムが少なくなり足がつりやすい状態になります。

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ビタミンB1不足も足がつる原因になる

もう1つの原因はビタミンB1です。ビタミンB1は糖分をエネルギーとして使うときに必要なのですが、ファストフードばかり食べていると不足しがちです。ビタミンB1は水に溶けやすく、日常的に摂取していないと尿とともに排出されてしまいます。ビタミンB1が不足すると筋肉を動かすためのエネルギーが不足するため、筋肉が疲れやすくなり、足がつる原因になるのです。

実は、カルシウムとビタミンB1は日本人に足りない栄養素のベスト3に入っています。朝食にもファストフードを食べているなど、普段からファストフードを食べる機会が多く足がつりやすい人は、まずファストフードの量を減らし、カルシウムやビタミンB1の多い食材を取り入れましょう。両方の栄養素が多く含まれている食材にはひじきやのり、ごまなどがあります。ビタミンB1の多い豚肉とカルシウムの多いチーズを組み合わせた料理などもおすすめです。

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<参考文献>
■みやけ内科・循環器科 町医者の「家庭の医学」
『こむら返り(足がつる)』

■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

朝食にファーストフードを食べないようにしていない人は、汗をたくさんかいた後に、足がつりやすくなるリスクが3.11倍になります。

A: 朝食にファーストフードを食べないようにしていますか?
B: 汗をたくさんかいた後に、足がつることはありますか?

A
はい いいえ
76.7%
237人
23.3%
72人
B
はい いいえ はい いいえ
4.21%
13人
72.49%
224人
3.56%
11人
19.74%
61人
Z検定値 2.72
オッズ比 3.11
信頼度 99.3%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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