朝型リズムでぐっすり眠れる身体に
リスク
2.0倍

朝型リズムでぐっすり眠れる身体に

朝型の生活をおくっていない人は、寝つきが悪くなるリスクが2.0倍になります。

解説

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1日には昼と夜のリズムがあり、少しくらいなら生活のリズムが昼夜とズレても、朝に太陽の光を浴びることでこのズレをリセットすることができます。ですが、夜遅くまで仕事をしたり勉強したり、あるいは夜勤の仕事をする生活を続けていると、眠るのが望ましい時間帯に寝つくことができず、睡眠の時間帯が後ろにずれていくという、“睡眠相後退症候群”におちいることがあります。

睡眠相後退症候群になると、仕事や学校の始業時間に間に合わない、昼間に眠くなる、など、さまざまな点で生活上の困難を感じることになります。しかし、この病気は生活リズムを朝型にすることで治すことができます。

治すためには、ゆっくり時間をかけていきましょう。一気に何時間もシフトさせるのではなく、ふとんに入る時間を1日15分ずつ早める、といったように、段階的にシフトさせるようにしましょう。

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なかなか寝つけない原因は?

夜にふとんに入ってもなかなか寝付けず、結局夜の2時や3時までふとんの中で眠れない、という毎日をおくっていませんか?このような毎日が続いている人の中には、日中に眠くなったり、頭が痛くなったりといった悩みを抱えている人も少なくないと思います。また、仕事や学校に遅れそうになったことがあるという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような症状がずっと続いている人は、もしかしたら“睡眠相後退症候群”とよばれる病気かもしれません。

人の身体は、おおよそ24時間のリズムで生活するようになっていますが、何かの都合によって、ときには昼夜のリズムとズレが発生することもあります。そこでこのズレを解消して、またリズムを元に戻す刺激となるのが、太陽の光です。

太陽の光を浴びると、“セロトニン”という物質が作られます。セロトニンは、眠るためのホルモンである“メラトニン”の材料となるので、太陽の光を浴びることは、ぐっすりと眠るためにとても大切なのがわかりますね。

この生活リズムのズレをうまくリセットできなくなると、寝つくのが遅くなって、寝ている時間帯が後ろにずれていってしまいます。これが睡眠相後退症候群におちいるメカニズムなんです。

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良い睡眠のために朝型生活を目指そう!

それでは、昼夜のリズムと人の身体の生活リズムとのズレをリセットできなくなる原因とは何なのでしょうか。夜遅くまで勉強したり仕事をしたりと、身体を活発に動かしているという生活が、その原因のひとつとして挙げられます。夜遅くまで起きていても、日常生活に支障がないのであればそのまま生活することもできます。

しかし、多くの人は仕事や学校など、朝にきちんと起きて活動しなければいけませんよね。睡眠不足(睡眠負債とも呼びます)を抱えたまま長く生活していると、生活習慣病などのリスクが高まることがあります。休日に長く眠る「寝だめ」で睡眠不足を解消している人もいるかもしれませんが、平日と休日の睡眠時間の差が大きすぎる不規則な生活を続けていると、太りやすくなり、血糖値をコントロールする機能にも悪影響があることがわかっています。

睡眠相後退症候群は、眠りをコントロールするホルモンを補充するという治療を受けることで改善することができます。ですが、治療を受ける前に、自分でも簡単に取り組める改善法があります。

それは、生活のリズムを朝型にすることです。朝型の生活にすることで、朝にしっかり太陽の光を浴びてセロトニンをつくることができるというわけですね。

アメリカの病院によると、身体を朝型の生活にする第一歩は午前0時に就寝すること。その次の日からは、ふとんに入る時間を15分ずつ段階的に早めていくことで、無理なく朝型の生活を手に入れることができるそうです。

この方法に取り組むときにも、ときには寝つけなくてイライラしてしまうこともあるでしょう。20分以上寝つけないときには、いったんふとんを離れて別の場所でリラックスするのがオススメです。寝つけないままふとんに入っていると、「ふとん=寝たくても寝られない場所」というイメージがついてしまい、余計に眠れなくなってしまうからです。

また、寝る前にスマートフォンやパソコンなどの光を出すデジタル機器を使うことは避けましょう。デジタル機器からは、エネルギーの強い光(ブルーライト)が出ています。

さらに、寝る3時間以内にカフェインを多く含む飲み物や食べ物を取るのも控えたほうがよいでしょう。カフェインといえば、まずはコーヒーを思い浮かべると思いますが、ダブルのエスプレッソと同じ量のカフェインを寝る3時間前に取ると、身体のリズムが40分遅くなるそうです。

身体のリズムを24時間周期に合わせるためにもっとも大切な刺激は、太陽の光です。朝型の生活を手に入れて、太陽の光をしっかりと浴び、質の良い眠りを取り戻しましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『睡眠相後退(前進)症候群』

■クリーブランド・クリニック
『Delayed Sleep Phase Syndrome (DSPS)』

■National Sleep Foundation 米国立睡眠財団
『What to do When You Can't Sleep』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

朝型の生活をおくっていない人は、寝つきが悪くなるリスクが2.0倍になります。

A: 朝型の生活をおくっていますか?
B: 人よりも寝つきが悪いほうですか?

A
はい いいえ
61.1%
176人
38.9%
112人
B
はい いいえ はい いいえ
16.67%
48人
44.44%
128人
16.67%
48人
22.22%
64人
Z検定値 2.74
オッズ比 2.0
信頼度 99.3%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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