夜型になりきれない人の朝型変更大作戦
リスク
2.25倍

夜型になりきれない人の朝型変更大作戦

朝型の生活をおくっていない人は、人よりも体のダルさや食欲不振を感じやすくなるリスクが2.25倍になります。

解説

夜は静かで集中出来ますね。夜に仕事や勉強へ集中する夜型生活を送っている人は少なくないでしょう。夜型生活というと不健康につながるように思いがちですが、そうではありません。昼夜とは少しズレた時間で生活していたとしても、周期が安定して体調がよいならば、それがその人の生活リズムです。無理に変えなくて大丈夫です。

ですが、夜型の生活をしながらも日中にも活動しなくてはならないときもありますよね。そうして、夜型生活ではない不規則な要素が加わると、生活リズムが安定せずに体調不良になりやすくなることも。体内時計のリズムと昼夜がズレて、昼間の眠気や疲労感、食欲低下などが出てくることがあるのです。

やっぱり夜型生活は無理!と朝型生活に戻すなら、2週間はかかると考えてじっくり取り組みましょう。ポイントは“光”です。朝日を浴びると目覚めやすくなるので、寝室ではカーテンで完全に朝の光を遮らないようにしましょう。また、夜の照明が明るすぎると睡眠リズムが乱れやすくなってしまうので、夜の照明を電球色の柔らかいものにするのがおすすめです。

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なんだかつらいしダルい…これって夜型生活のせい!?

“時差ぼけ”という言葉はすっかりおなじみですね。ですが、昼夜と体内時計のズレから来る身体の不調は、昼間の眠気だけではないことを知っていますか?たとえば、集中力の低下や疲労感、食欲がない、胃腸の調子が悪いなど。「こんなところにも?」と思うような意外な不調につながっていくのです。

ヒトは、日が暮れてあたりが暗くなってくると、体内時計の働きで「夜だ、眠ろう」と体温が下がってきて眠気を感じるようになっています。しかし生活リズムが昼夜から大きくズレていると、仕事などの活動のために身体を目覚めさせ続けなければなりません。

夜は静かで集中できますよね。そのため、夜を仕事や勉強の時間に充てる生活を送っている人は少なくありません。夜型生活は不健康につながると思いがちですが、かならずしもそうではありません。

昼夜とは少しズレた時間で生活していたとしても、体内時計と昼夜のズレが一定のパターンで安定しているのであれば大丈夫なのです。ただし、実際には「ズレているけれどちゃんと24時間サイクルで生活する」のはかなり難しく、これが問題なんです。

たとえば、夜勤のある働き方をしている人は、勤務が終わったら休息を取りたいですね。でも、日中でなければ銀行が開いていない、などのさまざまな事情で眠れない、休めないこともしばしばです。つまり、夜型生活はどうしても不規則な生活になりやすいのです。完全な夜型生活は難しいのですね。このため、夜型生活は朝型生活より、不調につながりやすくなるのです。

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体内時計は光のリズムでリセット!

生活リズムが安定せずに、体のダルさや食欲不振などで困っている人がいます。そんな人は「夜型にはなりきれない」パターンの人なのかもしれません。思い切って朝型生活に戻して、身体をいたわってあげませんか?

それでは、朝型に戻すにはどうすればよいのでしょう?時差ぼけの研究から、体内時計を調整するにはそれなりの時間が必要だということがわかっています。体内時計の「朝」を早めるやり方で調整するのはなかなか大変で、長ければ2週間ほどかかります。朝型生活への移行は、あせらずゆっくり取り組みましょう。

次に大切なことは、“光”の取り入れ方。体内時計のリズムを調整する最も大きな刺激は光なので、生活の中で光をうまく使いこなしましょう。寝室のカーテンを薄手のものにすると、朝の日の光が部屋に入って目覚めやすくなりますよ。

意外に見落としがちなのが照明器具です。体内時計が眠りに向かう夜も明るい照明を使っていると、身体が「まだ日中なんだ」と勘違いしてしまいます。光の刺激を受け続けているので眠りにくく、どうしても就寝時間が遅くなってしまいます。このため、朝型への移行が難しくなってしまうのです。

そこで、夜向けの照明をチョイス。夕焼けの赤い色を見るとゆったりした気分を感じますよね。明るすぎず柔らかい光はリラックスとよい睡眠、朝の目覚めにつながるんです。

日中の活動時は“昼光色”などの明るく白い光、夕方以降は温かい色合いの“電球色”と切り替えてみてはどうでしょう。照明にも生活にもリズムをつけるのが、朝型生活に切り替える近道です。夜型生活を振り切って身体をいたわり、健康な生活リズムに整えましょう。

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<参考文献>
■若村智子編著、近藤雅之編、原田哲夫著 丸善出版
『生体リズムと健康』

■井上雄・林光緒編 朝倉書店
『眠気の科学 —そのメカニズムと対応—』

執筆 : 麓加誉子
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

朝型の生活をおくっていない人は、人よりも体のダルさや食欲不振を感じやすくなるリスクが2.25倍になります。

A: 朝型の生活をおくっていますか?
B: 人よりも体のダルさや食欲不振を感じていますか?

A
はい いいえ
61.1%
176人
38.9%
112人
B
はい いいえ はい いいえ
12.5%
36人
48.61%
140人
14.24%
41人
24.65%
71人
Z検定値 3.02
オッズ比 2.25
信頼度 99.7%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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