ニンジンを食べてつらい虫歯を予防しよう
リスク
4.45倍

ニンジンを食べてつらい虫歯を予防しよう

月に1回以上、ニンジンを食べていない人は、虫歯になりやすくなるリスクが4.45倍になります。

解説

虫歯になるメカニズム

いつの間にかできていることがある虫歯。虫歯の初期であれば、比較的簡単に治療することができますが、虫歯菌の侵食が進むと、歯の神経を抜かければならない状態にまで発展してしまいます。では、虫歯はどのようにしてできるのでしょうか。

口の中は普段は中性に近いのですが、食事をすると口の中が酸性になってきます。これは、食事をきっかけに虫歯菌が酸を作り出すため。そして口の中が酸性になると、歯からリン酸やカルシウムといった歯の成分が少し溶け出してきます。そしてこの状態が続くと虫歯になるのです。

虫歯の予防に効果が期待される食材として、それを食べたときに身体をアルカリ性にする食品であるアルカリ性食品が挙げられます。アルカリ性食品は、その食材そのものがアルカリ性という意味ではありません。その食材に含まれているミネラルが、身体の中でアルカリ性を示すとされているためです。

したがって、アルカリ性食品を食べた直後に、口の中が酸性からアルカリ性側に傾くということではありません。しかし、アルカリ性食品を継続してとることで、唾液もアルカリ性になりやすくなります。そうなることで、酸性になった口の中を元に戻しやすくなり、虫歯の予防につながるというわけです。ニンジンはこのアルカリ性食品の1つですので、虫歯予防に期待ができるということですね。

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ニンジンに含まれる成分が虫歯予防をサポート

ニンジンは、アルカリ性食品であるほかにも、虫歯予防につながる成分を多く含んでいます。

まずはβカロテン。ニンジンといえばβカロテン豊富な食品の代表ですね。βカロテンは体内でビタミンAに変わります。ビタミンAはビタミンDとともに働き、じょうぶな歯を作るために必要なカルシウムの吸収を促してくれます。

次に、ニンジンにはフッ素も含まれています。フッ素といえば、虫歯予防に歯医者さんで歯に塗ってもらう成分であり、歯磨き粉にも含まれています。フッ素には、歯の再生を促す、虫歯菌の活動を抑えて酸を作らないようにする、さらに歯を酸に強い状態にするといった効果があるのです。

最後に、虫歯予防に効果があるとしてガムなどにも配合されているキシリトールも、ニンジンに含まれる虫歯予防成分の1つです。キシリトールは、虫歯菌がとり込んで代謝するものの、酸が作り出されることはありません。また、唾液の分泌を促したり、虫歯菌の増殖を促したりと、虫歯の予防に大きな効果があるとされています。

野菜をしっかり食べている人には、ニンジンに虫歯予防の効果が期待できるというのは嬉しいポイントですね。虫歯になりやすい人は食事にニンジンをとり入れてみましょう。ただし、砂糖を使った煮物など調理で虫歯の原因を増やしてしまってはもったいない。生のニンジンの千切りサラダ、野菜スティック、ニンジンを入れたゆで野菜サラダなど、シンプルな食べ方でニンジンの効果を活かすようにしましょう。

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<参考文献>
■鈴木歯科
『フッ素について』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、ニンジンを食べていない人は、虫歯になりやすくなるリスクが4.45倍になります。

A: 月に1回以上、ニンジンを食べていますか?
B: 虫歯になりやすいですか?

A
はい いいえ
94.8%
293人
5.2%
16人
B
はい いいえ はい いいえ
31.39%
97人
63.43%
196人
3.56%
11人
1.62%
5人
Z検定値 2.91
オッズ比 4.45
信頼度 99.6%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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