ジャンクフードが虫歯の原因に
リスク
1.9倍

ジャンクフードが虫歯の原因に

ジャンクフードを食べないようにしていない人は、虫歯になりやすくなるリスクが1.9倍になります。

解説

虫歯はどのようにできるのか?

虫歯の元になる虫歯菌は、どんなにしっかり歯を磨く人でも口の中に存在しています。ですから虫歯を作らないために重要なのは予防です。まず虫歯はどのようにしてできるのか、説明しましょう。

虫歯菌は口の中の糖分を栄養にして酸を作り出します。歯の表面は“エナメル質”という硬い層によって守られているのですが、このエナメル質は酸で溶けてしまいます。ですが、歯には修復能力があります。唾液の中に含まれるリン酸やカルシウムを使って溶けた歯の表面を治すことができます。これが歯磨き粉のCMなどでよく聞く「歯の再石灰化」ということです。

つまり歯は、食事で少し溶けては復活!というサイクルを繰り返しているのですね。ですから、虫歯を予防するためには虫歯の栄養になる糖分をできるだけ口の中に残さないこと、そして口の中が酸性になる時間をできるだけ短くすることが大切なのです。

62721

ジャンクフードで虫歯ができやすい理由

ジャンクフードとは一般的に高カロリーで塩分や糖分が多い食品です。甘いドーナツや菓子パンの材料となっている砂糖はもちろんのこと、スナック菓子やフライドポテトなどはでんぷん(炭水化物)がほとんど。反対にビタミン・ミネラル・食物繊維は少ないという特徴があります。

ジャンクフードを多く食べていると、口の中に糖分が存在する時間が長くなり、虫歯菌はどんどん酸を作り続けてしまいます。さらに、スナック菓子などのでんぷんは歯にくっつきやすくなっています。ポテトチップスなどが歯の隙間に詰まりやすく、取れにくいという経験は多くの人がもっているのではないでしょうか。スナック菓子を食べるとしても、できるだけ短時間で食べるのを切り上げ、すぐに歯を磨くことが重要です。

ジャンクフードには食物繊維が少ないということも、虫歯になりやすい原因のひとつとして挙げられます。食物繊維には、歯の表面をこすり取り食べかすが残りにくいようにする効果があります。また、食物繊維は歯ごたえがあり、噛む回数を増やして唾液をしっかり出すことにつながります。唾液がしっかり出ると歯の再石灰化はスムーズに進むのです。ところが、食べやすく加工してあるジャンクフードは、短時間で食べられてしまいます。しっかり噛まずに食べることができてしまうため、十分な唾液が出ないまま食事が終わってしまうのです。

ジャンクフードというと脂肪が多くて高カロリーという点から、肥満の原因として要注意の食べ物です。さらに、虫歯という観点からもジャンクフードはおすすめできません。どうしてもジャンクフードを食べたくなったとしても、短時間で少量にとどめ、すぐに歯を磨くようにしましょう。

62722

<参考文献>
■すぎうら歯科クリニック
『歯にいい食事療法』

■厚生労働省 e-ヘルスネット
『ファストフードのエネルギー(カロリー)』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

ジャンクフードを食べないようにしていない人は、虫歯になりやすくなるリスクが1.9倍になります。

A: ジャンクフードを食べないようにしていますか?
B: 虫歯になりやすいですか?

A
はい いいえ
43.4%
134人
56.6%
175人
B
はい いいえ はい いいえ
11.65%
36人
31.72%
98人
23.3%
72人
33.33%
103人
Z検定値 2.61
オッズ比 1.9
信頼度 99.0%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。