コンビニ弁当が健康に与える影響とは?
リスク
2.35倍

コンビニ弁当が健康に与える影響とは?

コンビニ弁当を食べないようにしていない人は、人よりも健康状態に不安が起きやすくなるリスクが2.35倍になります。

解説

コンビニ弁当は身体の不調を引き起こす原因に

コンビニ弁当は手軽ですぐに食べられるので、時間を短縮したい場合にはありがたい存在ですね。しかし、毎日、朝・昼・晩とコンビニ弁当を食べるような生活を送っていると、身体の調子が優れず、自分の健康に対して不安を覚えやすくなりがちです。また、実際に健康診断で「注意が必要」といわれてしまったという人も少なくありません。では、なぜコンビニ弁当をひんぱんに食べる生活を送っていると、健康に不安を感じやすくなったり、実際に身体に異常が現れてしまったりするのでしょうか。

コンビニ弁当の大きな問題点の1つに、その糖質の多さが挙げられます。コンビニ弁当といっても、お店によってさまざまな種類がありますが、なんといっても、入っているご飯の量が多いのです。「そうかな?」と思った人は、一度コンビニ弁当に入っているご飯をふだん使っているお茶椀に移し替えてみましょう。すると、コンビニ弁当には茶椀1杯以上のご飯が詰められていることがわかります。主食のご飯だけで1回の食事に必要な糖質の量を超えてしまいそうですね。

また、お弁当のおかずに、から揚げなどの揚げ物や、脂肪分が多い肉のおかずがメインに入っていることが多くなります。調理にも油を使っていますから、脂肪分のとりすぎが心配ですね。さらに、お弁当のおかずになる肉は、カロリーが高い皮つきであったり、脂身が多いバラ肉を使用していることも少なくありません。健康診断でBMI(体重と身長のバランス)を注意されたり、ダイエットを意識している人は、こうした高カロリーの肉が入ってないものを選ぶようにしましょう。

しかし、コンビニ弁当の場合は肉の種類だけでなくメインのおかずの横に入る野菜のおかずが少ないということも大きな問題です。コンビニ弁当1食分では、ほとんどの場合野菜が足りません。

付け合わせに入っているおかずが、ポテトサラダやパスタサラダなどの場合は特に注意が必要です。こうした食品は、「サラダ」とよばれても実は野菜がメインでないのです。ポテトもパスタも糖質がメイン。野菜に含まれる食物繊維やビタミン、ミネラルなどは明らかに不足していることになります。

さらに、コンビニ弁当ではおかずの味を引き立たせるため、どうしても味付けが濃くなります。厚生労働省が示している食事摂取基準によると、18歳以上の人では、1日当たりの塩分摂取の目標量は男性なら8g未満、女性なら7g未満となっています。しかし、コンビニ弁当は1食でその半分以上をとってしまうことが多いのです。

そのうえ、コンビニ弁当のように加工食品を多く食べることで、食品添加物をとる機会が増えるということもあります。食品添加物は、長期間くり返し食べる場合の安全性もふくめ審査の上で使用が許可されています。ですが、保存料の一部には過敏性腸症候群が報告された例もあります。また、コンビニ食品には「保存料や合成着色料は表示していません」と表示されているものの、代わりに添加物の一種であるpH調整剤を使用することも多くあります。pH調整剤は保存料よりも多くの量が必要となるので、「保存料や合成着色料が使われていないから」と過度に安心しないようにしましょう。

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コンビニ弁当と上手に付き合うには?

コンビニ弁当をひんぱんに食べることにより、どうしても脂肪分や糖質、塩分のとりすぎになりやすく、野菜が不足しがちになります。このような生活が続くと、糖尿病や脂質異常症、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こすおそれがあります。これらの異常を放置してしまうと、お酒を飲まなくても肝臓に脂肪がたまる脂肪肝や、塩分のとりすぎによる腎臓の機能の異常を引き起こす原因となってしまい、健康を害するリスクが大きくなってしまうのです。

コンビニ弁当を利用する場合でも、少し工夫してみましょう。たとえば、コンビニ弁当に野菜サラダをプラスし、ご飯を少し残すといった食べ方もあります。コンビニでも、弁当だけでなくおにぎりやサラダチキン(たんぱく質)、野菜サラダなどの単品のコンビネーションにしてみたり、コンビニでも手に入りやすくなった袋入りの開けて食べられるおかず(野菜のおかずや魚のおかずなど)を組み合わせるのも良いでしょう。毎日同じようにコンビニ弁当ばかりを選ぶのではなく、コンビニ弁当を食べる回数やコンビニ食品の選び方を見直し、コンビニ食品を上手に活用することをおすすめします。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『中食の選び方』

■厚生労働省
『「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書を取りまとめました』

■厚生労働省
『添加物評価書 ソルビン酸カルシウム』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

コンビニ弁当を食べないようにしていない人は、人よりも健康状態に不安が起きやすくなるリスクが2.35倍になります。

A: コンビニ弁当を食べないようにしていますか?
B: 人よりも健康状態に不安はありますか?

A
はい いいえ
51.8%
160人
48.2%
149人
B
はい いいえ はい いいえ
16.5%
51人
35.28%
109人
25.24%
78人
22.98%
71人
Z検定値 3.65
オッズ比 2.35
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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