キスによる驚くべき健康効果
リスク
2.76倍

キスによる驚くべき健康効果

月に1回以上、キスをしていない人は、感動することが少なくなるリスクが2.76倍になります。

解説

キスをすると幸せになり、感動しやすくなる

配偶者や子どもなど、自分が大切に思っている人とキスをすると幸せな気持ちになります。科学的にも、キスをすることによって、満足感を感じたり、リラックスしたりといった、心を感動しやすい状態にするホルモンなどが出ることがわかっています。

キスによって分泌されるのは、“オキシトシン”や“セロトニン”と呼ばれる、意思や感情を伝える物質です。オキシトシンは、満足感や達成感を得たときや、キスや抱擁、頭をなでるなどの愛情を示す行動によって分泌されるといわれています。また、オキシトシンは授乳や陣痛でも分泌され、赤ちゃんとお母さんにも重要なホルモンです。

セロトニンは、気持ちをリラックスさせたり、精神の緊張をほぐして感動しやすくする効果があるといわれています。したがって、セロトニンの分泌低下は、うつ病などの精神疾患を発症する可能性があります。

キスは、こうしたホルモンの分泌を促進させるだけでなく、“βエンドルフィン”とよばれる物質を増やすといわれています。βエンドルフィンには、痛みを和らげたりストレスを軽くする作用があります。また、キスによってアレルギー反応が軽減することが日本人の医師によって明らかにされています。なお、この研究を行った医師は、人を笑わせ興味を持たせる研究に贈られるイグ・ノーベル賞を受賞しています。

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セロトニンを増やす方法とは

セロトニンは、気持ちをリラックスさせ、精神の緊張を解く作用があるといわれています。では、セロトニンを増やすためにはどのようにすればよいのでしょうか。

現代人は、人間関係での問題や生活習慣の乱れなどからストレスを抱えている人が多いようです。身体にストレスがかかると、緊張してしまうためセロトニンの分泌が低下する可能性があります。ストレスがかかっているときには、緊張から呼吸が浅くなっていることが多いといわれています。

まずは、気持ちを鎮めてゆっくり呼吸をすることを心がけてみましょう。座禅を組んでいるようなイメージで、大きく息を吸って、腹筋を意識しながらゆっくり吐いていきます。あぐらをかかなくても、椅子に座ったまま目を閉じて呼吸をすることだけに集中すればよいので、すぐにできます。

運動不足や偏った食事、日光に当たらない生活もセロトニンの分泌を低下させる可能性があります。野菜や魚、豆類を積極的に取るようにして、なるべく階段を使うなど日頃から運動をするように心がけると、セロトニンが分泌されやすくなるかもしれません。

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<参考文献>

■広島大学マネジメント研究
『「感動」体験の効果について』

■Journal of Psychosomatic Research
『Kissing selectively decreases allergen-specific IgE production in atopic patients.』

■横山内科
『セロトニンを増やす呼吸法で心身をリフレッシュ』

執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、キスをしていない人は、感動することが少なくなるリスクが2.76倍になります。

A: 月に1回以上、キスをしていますか?
B: 感動することが少ないほうですか?

A
はい いいえ
43.7%
135人
56.3%
174人
B
はい いいえ はい いいえ
7.77%
24人
35.92%
111人
21.04%
65人
35.28%
109人
Z検定値 3.77
オッズ比 2.76
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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