痛みが消える!?笑いの力は底力!!
リスク
2.22倍

痛みが消える!?笑いの力は底力!!

よく笑う生活をおくっていない人は、人よりも疲れが取れにくくなるリスクが2.22倍になります。

解説

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声を出して「アッハッハ!」と楽しく笑うと、深呼吸と同じ効果があります。深呼吸と同じように身体にたっぷり酸素を取り込んで呼吸しているのです。酸素がたっぷりと送り込まれた脳では、エンドルフィンという物質が分泌されます。気分を高揚させ、幸福感を高めて痛みを和らげる物質です。こうして緊張が解けて身体はリラックスしていきます。

さて、笑った後の身体は血圧や心拍数も下がって、休息や身体の調子を整える活動に入ります。そうすると、胃腸は食べ物をしっかり消化吸収できるようになります。エンドルフィンの働きもあるのでしょう、病気で痛みがあった人でも、よく眠れるようになったという例もあります。

漫才や落語を聴いてよく笑うと、がん細胞と戦う免疫細胞の働きが高まる、という研究があります。関節炎を起こす物質が減ったという報告もあり、“笑い療法”と呼ばれます。笑いの力は素晴らしいのですね。笑いジワができるほど思い切り笑って、健康な身体を作りましょう。

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笑いの力ってすごい!

赤ちゃんは、生まれて1ヵ月後にはお腹いっぱいになると満足したほほえみを見せます。6ヶ月ごろにはもうお母さんの笑顔に反応して、自分も笑うことができるようになるといいます。長い人の一生の中で、笑うことは心と身体の状態を示す大切なサインです。

ですが、笑いの役割はサインだけではありません。笑うことそのものが身体に影響を与え、心身の健康を守る力になるのです。よくいわれるのが、「笑うと免疫細胞の一種、“ナチュラルキラー細胞”が活性化し、がん細胞と戦う力になる」というもの。1990年代に日本でも研究が行われました。それによると、漫才や新喜劇を3時間見て、大いに笑った人たちのナチュラルキラー細胞の働きが正常化したと報告されています。

また、手足の関節に炎症が起き、腫れたりこわばって動かしにくくなる“関節リウマチ”という病気があります。この病気に長年取り組んできた医師は、関節リウマチの患者さんに落語を鑑賞して笑ってもらうという研究を行いました。落語家の林家木久扇師匠が協力したことでも知られる実験です。この実験の結果、患者さんのストレスホルモンや炎症を悪化させる物質の値が大きく下がったのです!笑いの力は素晴らしいのですね。

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笑って笑って心と身体をリラックス!そして健康へ

大きな病気だけでなく、日常生活の中でよく笑うことは身体そのものに大きなよい影響があります。「アッハッハ!」と声を出して笑うと、それだけで何度も息を大きく吸って吐くことになります。つまり、深呼吸ですね。笑いの深呼吸で、身体はたっぷり酸素を取り込みます。このとき、エンドルフィンと呼ばれる物質が脳で分泌され、これには気分が高揚して幸福感をもたらす、痛みを和らげるといった作用があるのです。

緊張が解けて大笑いすると、始めのうちは少し血圧が上がり、心拍数が増えますが、すぐに血圧も心拍数も下がっていきます。こうして身体はストレスによる緊張状態から、リラックスした状態へ。すると、自律神経の中でも休息や身体の調子を整える活動をつかさどる“副交感神経”が優位になります。副交感神経が働き始めると、胃腸は食べ物を消化吸収する活動をするようになります。笑うと消化がよくなってお腹がすくのは、このためだったんですね。

笑ってリラックスし、食べ物を消化してお腹もすっきり。そうすると、自然な眠りが訪れやすくなりますね。こうして、笑いの効果で身体の調子を整え、十分に休息することで疲れが取れやすくなるというわけです。

ところで、よく、笑っても「目が笑っていない」ことがありますね。これは、笑いの種類の中でも「社交上の笑い」と呼ばれる、相手の出方をうかがうような緊張感のある笑い。目の周りをぐるっと取り囲んでいる筋肉があまり動かないので、目元の表情が変わりにくいのです。

一方で、緊張が解けて大笑いしたときには、この筋肉の動きで目が細められ、目じりにシワができます。健康を意識するなら緊張したままの笑いではなく、シワを気にせず思いっきり大笑いしましょう。「ワッハッハ!」そうして緊張をほぐし、心と身体の健康を楽しく守っていきましょう。

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<参考文献>
■志水彰、角辻豊、中村真著 講談社
『人はなぜ笑うのか 笑いの精神生理学』

■吉野 槇一著 主婦の友社
『笑いと免疫力—心とからだの不思議な関係』

■メイヨー・クリニック
『Stress relief from laughter? It's no joke』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

よく笑う生活をおくっていない人は、人よりも疲れが取れにくくなるリスクが2.22倍になります。

A: よく笑う生活をおくっていますか?
B: 人よりも疲れが取れにくいほうですか?

A
はい いいえ
58.1%
347人
41.9%
250人
B
はい いいえ はい いいえ
24.62%
147人
33.5%
200人
25.96%
155人
15.91%
95人
Z検定値 4.73
オッズ比 2.22
信頼度 99.9%
集計数:597人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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