柑橘類のビタミンCが目を助ける!
リスク
2.52倍

柑橘類のビタミンCが目を助ける!

週に3回以上、オレンジなどの柑橘系の果物を食べていない人は、目が悪くなりやすくなるリスクが2.52倍になります。

解説

ポイントはビタミンC

オレンジやミカンなどの柑橘類に含まれている栄養素、といえばビタミンCですね!ビタミンCは美容や疲労回復にもよいといわれていますが、目にもよい効果があるのです。実は眼球に最も多く含まれるビタミンはビタミンCです。つまり、ビタミンCがたりなくなると目のトラブルが起きやすいということなのです。

よく、顔にできるシミにはビタミンCがよいと聞くことがあるかもしれません。これは、ビタミンCには新陳代謝を助ける力があるため、シミのもとになっている細胞をターンオーバーさせる効果が期待できるからです。このビタミンCの新陳代謝を促進する効果は、顔の皮膚と同じように、目でも発揮されます。

目の衰えは、目の中でレンズの役割をする“水晶体”を調節する筋肉が衰えてくることによります。これに対しビタミンCは、目の組織やその周りで目の調節を行う筋肉の新陳代謝を促してくれます。さらにビタミンCは、筋肉の元になるたんぱく質を効率的に利用する効果もあるのです。

また、ビタミンCには抗酸化作用があります。呼吸によって取り込んだ酸素の一部は、“活性酸素”となって細胞を老化させてしまいます。ビタミンCが持つ抗酸化作用が、活性酸素による細胞の酸化を妨げることによって、細胞が急激に老化するのを防ぐのです。

細胞の老化という現象は、目の細胞にも容赦なく襲いかかります。目のレンズである水晶体が濁る“白内障”という病気は、水晶体の中にある特殊なたんぱく質が酸化によって変性してしまうことで起こります。特に、加齢に伴って起きる白内障を“老人性白内障”といいます。実は、老人性白内障の発症率は、ビタミンCの摂取量が多い人ほど低かったという報告があるのです。これは、水晶体を構成するたんぱく質の酸化を、ビタミンCの抗酸化作用が防いでくれたためと考えられています。

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ビタミンCをうまくとるには?

ビタミンCは身体の中で作ることができないので、食べ物から摂取する必要があります。しかしビタミンCは水に溶けやすく、すぐに尿と一緒に出て行ってしまいます。毎日の食事でこまめにとることが大切なのです。

1日に必要なビタミンCは、大人では100㎎です。これは、大きめのオレンジなら1個分、みかんなら4個分くらい。みかん4個はちょっと食べ過ぎかもしれませんが、2個で1日の半分、と考えて残りは野菜などからとるとよいでしょう。レモンの果汁にも含まれていますから、サラダのドレッシングなどお酢の代わりにレモン果汁を使うことでビタミンCをしっかりとることができます。

気をつけたいのは、タバコがビタミンCを破壊する作用です。タバコ1本で約25㎎のビタミンCを破壊するというデータもあります。つまり、タバコを吸っている人はより多くのビタミンCを摂取する必要があるということですね。しかも、これはほかの人が吸ったタバコの煙を吸い込んでしまう受動喫煙でも同じ。喫煙者のいる家庭の子供では、体内のビタミンCの量が通常の20%も少なかったのです。

目の健康を守るには、柑橘類でビタミンCをしっかり摂取し、細胞の老化をゆるやかにしましょう。そして、ビタミンCを壊してしまうタバコはできればやめてしまうことをおすすめします。自分だけでなく、家族の目の健康も守りましょう。

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<参考文献>
■国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター
『ビタミンC摂取と老人性白内障発症の関係について』

■文部科学省
『食品成分データベース』

■厚生労働省『「統合医療」に係わる情報発信等推進事業』
『ビタミンC』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に3回以上、オレンジなどの柑橘系の果物を食べていない人は、目が悪くなりやすくなるリスクが2.52倍になります。

A: 週に3回以上、オレンジなどの柑橘系の果物を食べていますか?
B: 目が悪いですか?

A
はい いいえ
12.6%
39人
87.4%
270人
B
はい いいえ はい いいえ
6.47%
20人
6.15%
19人
63.43%
196人
23.95%
74人
Z検定値 2.71
オッズ比 2.52
信頼度 99.3%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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