物忘れが増えたら目の体操をしよう
リスク
3.01倍

物忘れが増えたら目の体操をしよう

週に1回以上、目の体操をおこなっていない人は、物忘れが多くなるリスクが3.01倍になります。

解説

目にはたくさんの筋肉が関わっている

目の体操、したことはありますか?パソコンやスマホなど目を酷使するシーンが多くあると思いますが、目の運動を意識的に行って、目の疲れを軽くしましょう。目の運動は、目の疲れだけではなく物忘れ予防にも効果が期待できるとされています。しかし、目の運動は、どのような方法で、どの筋肉を動かすとできるのでしょうか。

目に関連している筋肉は思いのほかたくさんあります。まずは眼球を動かす“外眼筋(がいがんきん)”と呼ばれるグループ。このグループには上下・内側外側・斜めと対になっている筋肉があり、それぞれに名前がついています。つまり眼球を動かすためだけに6つもの筋肉が働いているのです。

さらに、眼球の周囲にはまぶたを動かすための筋肉が3つあります。目の周囲にありまぶたを持ち上げる筋肉、まぶたを大きく開けて目を見開くときに働く上下の筋肉、目の周囲を取り巻いてまぶたを閉じるための筋肉です。さらに眼球の中にはレンズの役目をしている“水晶体”があり、この水晶体の厚みを変える筋肉もあります。

パソコンやスマホなど近くのものを見続けるということは、まぶたを持ち上げる筋肉や水晶体を厚くするための筋肉がずっと収縮したままになっているということなのです。そのため筋肉が疲労してしまうのですね。

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ストレスで増えるホルモンが記憶力を低下させる

人は多くの情報を目から得ています。そのため目が疲れるということは、常にストレスがかかった状態になっているということなのです。ストレスがかかると脳からはストレスに対応するホルモンの“コルチゾール”が分泌されます。そしてこのコルチゾールが一定量を超えた状態が長く続くと、記憶を司る脳の海馬に変化が起きることが確認されているのです。目の疲れを軽減することが、脳を守ることにもつながるのですね。

では、簡単にできる目の体操を紹介しましょう。まずは左右の目でウインク。次に眼球を動かして上下左右、斜め上、斜め下の8方向へ3秒ずつ動かします。このとき、顔が動かないように注意しましょう。最後に目のふちを見るつもりでなめらかにぐるりと目を1周回します。景色を見ると目が回ってしまうこともあるので、あくまで目のふちを見るつもりでゆっくりと行いましょう。

また、目のまわりを指で押すマッサージも疲れをとる効果があります。心地よいと感じる程度の強さで押すようにし、眼球を直接押してしまわないように注意しましょう。

人の名前や昨日のご飯が思い出せないという症状がここ最近見られるという人は、目が疲れているのかもしれません。目をよく使う人は、1時間に10分程度の目の休憩を意識して取り入れて目の体操をすると、ストレスが減り記憶力の維持も期待できます。

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<参考文献>
■帝京大学
『眼球付属器』

■参天製薬 目の情報ポータル
『目のストレッチの方法』

■愛媛産業保健総合支援センター
『目の健康管理』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、目の体操をおこなっていない人は、物忘れが多くなるリスクが3.01倍になります。

A: 週に1回以上、目の体操をおこなっていますか?
B: 物忘れが多いほうですか?

A
はい いいえ
14.6%
45人
85.4%
264人
B
はい いいえ はい いいえ
2.59%
8人
11.97%
37人
33.66%
104人
51.78%
160人
Z検定値 2.79
オッズ比 3.01
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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