解説
フキはどんな野菜?
フキは漢字で「蕗」と書きます。子供のころには、「おべんとうばこのうた」でも「筋の通ったフ〜キ」と歌ったことがあるかもしれませんね。フキは多年草で、山や河原などでも見つけることができます。
野菜として流通しているフキの多くは“愛知早生フキ”といい、名前の通り愛知県産が多くを占めています。フキの旬は3月から5月ごろですが、ハウス栽培ならば1年中収穫できます。春の味覚、フキノトウは、このフキの地下茎から出てくる花のつぼみなのです。
漢方の考え方で食べ物を分類すると、フキは身体を温める食品に入ります。こうした食品の特徴は、寒い土地や寒い気候で採れるもの、背の低い植物、地下でまっすぐ下に伸びる植物、根菜類、硬いもの、などがあります。同じ仲間の野菜にはニンジンや山芋、レンコンなどがあります。

冷え症を改善させる2つの成分
では、実際にフキには身体を温めてくれる成分があるのでしょうか?実は、2つあります。その1つがビタミンKです。ビタミンKは、血液の固まりやすさと関係しています。けがをして血管に傷がつくと出血しますね。すると、血液を固める成分が働いてかさぶたを作り、血を止めます。この血を止める反応に必要な成分を肝臓で作るときに、ビタミンKが必要になるのです。
ビタミンKが血を止める働きだけに関係しているかというとそうではありません。血管の中で血液が固まらないようにする成分にも関係しています。血液を固まりにくくする成分を作るときにもビタミンKが必要です。つまり、ビタミンKが十分に存在することで、血液は正しく機能し身体のすみずみまで血が巡るようになるのです。
そしてもう1つはビタミンEです。ビタミンEは血液をサラサラにする効果に加え、毛細血管を広げることで手足の血流を増やし、冷え症を改善することができます。病院でもこの効果を期待して、動脈硬化による手足の血管の血流障害に対し、ビタミンEの含まれた薬が処方されることもあります。冷え症で困っている人は、フキを食べて手足の血流を改善し、冷え症から脱却しましょう。

統計データ
年に3回以上、フキを食べていない人は、手が冷えやすくなるリスクが2.6倍になります。
A: 年に3回以上、フキを食べていますか?
B: 手が冷えやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
20.1%
62人 |
79.9%
247人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
6.8%
21人 |
13.27%
41人 |
45.63%
141人 |
34.3%
106人 |
Z検定値 | 3.27 |
---|---|
オッズ比 | 2.6 |
信頼度 | 99.8% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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