カカオで髪のツヤアップ!
リスク
2.78倍

カカオで髪のツヤアップ!

月に1回以上、カカオを食べていない人は、人よりも髪にツヤがなくなりやすくなるリスクが2.78倍になります。

解説

カカオは頭皮の血流を改善する

現在では、カカオを使ったチョコレートといえば甘いお菓子ですね。しかし、カカオ栽培発祥の地の南米では、昔はカカオ豆をすりつぶしたものが薬として使用されていました。つまり、カカオは身体によい成分がたくさん含まれているとされてきたのです。カカオに含まれる健康によい成分の中には、髪にもよい影響を与えるものがあります。それでは、カカオは髪にどんなよい効果があるのでしょうか。

まずはビタミンEです。カカオにはビタミンEが多く含まれていて、このビタミンEには血管を広げる効果があります。そのため頭皮の血流が増えて、髪にしっかりと栄養を届けることができるのです。

また、髪を作る細胞は酸化物質によって傷ついてしまうため、酸化物質が体内に多く存在すると髪のツヤが減ってしまいます。ビタミンEには抗酸化作用もあり、酸化物質が髪を作る細胞を傷つけるのを防いで、髪を守ってくれるのです。

同じように頭皮の健康を守る成分を持つのが、カカオポリフェノールのひとつ“テオブロミン”です。テオブロミンには神経を落ち着かせる効果があり、ストレス解消につながります。ストレスがたまると髪の血行が悪くなるので、これを改善してくれます。さらにテオブロミンにも抗酸化作用があり、ビタミンEと同様の働きをしてくれます。

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髪の成長に必要な成分もたくさん

髪のツヤをよくするためにもっとも大切なのは、髪の表面を覆っているキューティクルです。キューティクルは髪の内部のたんぱく質や水分が失われないように守る役目をしています。キューティクルの主な成分は硫黄を多く含んだタンパク質の一種の“ケラチン”です。ケラチンは18種類ものアミノ酸の集まりで作られていて、カカオに含まれるたんぱく質も髪を作る栄養となります。

そしてもうひとつ大切な成分が亜鉛です。亜鉛は体内でケラチンを合成する過程で必要な栄養素です。つまり亜鉛が不足すると髪の成長が遅くなってしまうのですね。

さらにカカオには、髪の黒色のもとになるメラニンの材料である“チロシン”というアミノ酸が含まれています。そしてメラニンが作られるときに必要なミネラルが銅です。この銅もカカオに含まれるミネラルのひとつです。つまり、白髪が気になる人もカカオを摂取するとよいのです。

カカオのビタミンE、テオブロミン、たんぱく質やチロシン、亜鉛や銅などいろんな成分が髪のツヤを保ってくれるのですね。カカオをとるにはチョコレートやココアが一般的ですが、一方で脂肪分も多く含まれており、食べ過ぎによるカロリー過剰には注意が必要です。また、お菓子として砂糖をたくさん使ったものも食べ過ぎは避けたいですね。

最近では、高カカオで砂糖控えめのチョコレートが手軽に手に入るようになっています。ただし、高カカオのチョコレートは、通常のチョコレートよりも脂質が1.5倍、カフェインは最大で4倍程度になるという報告があります。高カカオチョコレートを100gも食べてしまうと、それだけで成人女性の1日の脂質の目標をとってしまうことになるので要注意です。こうしたタイプのチョコレートであれば、多くても1日に25g程度を目安にしましょう。これは、板チョコならば1/3〜1/2枚くらい、粒ならば5個くらいになります。少量をゆっくり味わうようにしましょう。

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<参考文献>
■資生堂 ビノラボ
『キューティクルってどこ?毛髪の基礎知識』

■国民生活センター
『高カカオをうたったチョコレート』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、カカオを食べていない人は、人よりも髪にツヤがなくなりやすくなるリスクが2.78倍になります。

A: 月に1回以上、カカオを食べていますか?
B: 人よりも髪にツヤがないですか?

A
はい いいえ
17.8%
55人
82.2%
254人
B
はい いいえ はい いいえ
3.24%
10人
14.56%
45人
31.39%
97人
50.81%
157人
Z検定値 2.83
オッズ比 2.78
信頼度 99.5%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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