解説
ささみ肉は低GI食品!血糖コントールにおすすめ食材
ささみ肉は、1本でカロリーはたった45kcal、たんぱく質を10g近くとることができ、脂質はほとんどないという低カロリー、高たんぱく質、低脂質のとてもヘルシーな食材です。「ダイエット中にお肉を食べるならささみ肉をどうぞ」といえるほどの定番。ダイエッターにとって必須の食材といえるでしょう。
実は、このささみ肉は、ダイエット以外に、血糖値の急上昇を防ぎ、安定させる血糖コントロールにも向いている食材です。これは、ささみ肉のGI値(グライセミック・インデックス:血糖上昇指数)が低い数値であるということが挙げられます。
GI値とは、炭水化物が分解されて糖に変わり、血糖値を上昇させるスピードを数値にしたものです。このGI値が高い食品は血糖値を上昇させやすく、低ければ、血糖値の上昇がゆるやかな食品ということになります。GI値が70以上だと高く、55以下ならば低いといわれています。ささみのGI値は45ですから、血糖値を上げすぎない低GI食材ということになりますね。
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度をあらわします。血糖値をコントロールするためには、糖質が多い食材や白米、パン、麺などの炭水化物、菓子パンや菓子類、芋類、糖質が多いかぼちゃ、れんこんなどの野菜など、高GI食材ばかりを食べないように食材選びに注意する必要があるのです。

代謝に必要な栄養素もばっちり!ささみ肉パワー
ささみ肉には、脂質の代謝に必要なビタミンB2や、糖質と脂質の代謝に必要なナイアシンが含まれています。さらに、糖質、脂質、たんぱく質などの代謝に必要なパントテン酸なども含まれており、代謝に必要な栄養素がしっかりとそろっています。糖尿病食など血糖コントロールが重要となる献立を考える場合、大切なことは糖質の多い少ないだけではありません。その人の体格や生活に合った適正なエネルギーの量を1日3食バランス良く食べ、ビタミンやミネラルなど身体の調子を整える栄養素もしっかりとることが大切になります。
たんぱく質は、糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぐ作用があります。ですから、高たんぱくのささみ肉は、この点でも血糖コントロールに向いた食材といえます。また脂肪が少なくうまみが多い、野菜とも合わせやすい食材です。適正カロリー内での献立を立てやすくなるという利点もあります。
ささみ肉は、焼いてメインのおかずにしたり、蒸したささみを裂いてサラダに合わせたり野菜と和えたりとさまざまな料理にすることができます。ささみ1本は40〜50g程度。たんぱく質の量から考えると、1日に2本程度までを目安にしましょう。
さらに、ご飯をGI値の高い白米からより低い玄米に変えてみる、血糖値の上昇をゆるやかにする酢を利用する、オクラ、とろろ、めかぶなどのネバネバ食品の小鉢を副菜に添えるといった工夫をするのもおすすめです。

<参考文献>
■広瀬寛監修、阿部芳子著 ナツメ社
『あなたを元気にするビタミン—正しい知識ととり方がわかる』
■金本郁男著、監修 永岡書店
『低糖質ダイエット食べ合わせルールブック』
■東京都病院経営本部
『食事療法のすすめ方 糖尿病の食事』
■文部科学省
『食品成分データベース』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、ささみ肉を食べていない人は、血糖値が基準値を超えやすくなるリスクが3.08倍になります。
A: 月に1回以上、ささみ肉を食べていますか?
B: 血糖値は基準値を超えていますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
46.9%
145人 |
53.1%
164人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
2.59%
8人 |
44.34%
137人 |
8.09%
25人 |
44.98%
139人 |
Z検定値 | 2.76 |
---|---|
オッズ比 | 3.08 |
信頼度 | 99.4% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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