糖分とりすぎが招く意外な頭痛
リスク
2.28倍

糖分とりすぎが招く意外な頭痛

砂糖を使用した甘いものを食べないようにしていない人は、頭の片側が痛むことが多くなるリスクが2.28倍になります。

解説

糖分のとりすぎから低血糖、そして頭痛へ

甘いものをよく食べていると、片頭痛が起きやすくなる可能性があります。一見、甘いものと頭痛は関係がないように思われるかもしれませんね。ですが、糖分のとりすぎと頭痛は、意外にも深く関係しています。最近、頭痛がよく起きると思う人は、チョコレート、ビスケット、ケーキなどの甘いお菓子やデニッシュなど甘い生地の菓子パン、ついつい飲んでしまう缶コーヒーなど、糖分をとりすぎていないかチェックしてみると良いでしょう。

糖分のとりすぎは頭痛とどう関係するのでしょうか。糖分(ブドウ糖)をとると、腸で吸収されて身体に必要なエネルギーに変えられ、消費されます。ブドウ糖は大切なエネルギーなので、血液にある程度の量が入っているように保つ必要があります。甘いものをたくさん食べると、血液中のブドウ糖の濃度が高まり血糖値が高くなります。そこで、血糖値を下げようとすい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるように働きます。

しかし、糖分が多すぎる食生活を続けていると、すい臓の働きが弱くなってインスリンの調整がうまくいかず、血糖値が正常な値に戻らなくなってしまいます。これが糖尿病もしくは糖尿病予備軍の状態です。

糖尿病や糖尿病予備軍の人は血糖コントロールをする必要がありますが、薬や食事の量や時間も間違えたり、いつもより激しい運動をしたりなどといったように、血糖コントロールに影響を与えることをしてしまうと、血糖値が下がりすぎてしまって低血糖状態になることがあります。また、健康な人でも低血糖状態に陥ることもあります。

頭痛は低血糖状態に陥ったときの症状の1つ。そのほかにも目がかすんだり集中力がなくなったりという症状が出ることもありますが、重症化すると意識がなくなることもあります。このような状況にならないようにするためにも、血糖値が高くなりすぎないように気をつけたいですね。

55152

血糖値を安定させることが頭痛改善への第一歩!

低血糖での頭痛を改善させるには、血糖値を安定させることが大切になります。糖分が多い食事や間食を減らし、血糖値がゆるやかに上がるようにしましょう。

血糖値の上昇をゆるやかにするためのポイントは、「食事の最初は野菜から」「よく噛んで食べる」「菓子類を朝食の代わりにしないようにする」などがあります。

食事の最初に野菜を食べることにより、血糖値はゆっくりと上がります。野菜、肉や魚などのたんぱく質、最後にご飯やパン、麺類など炭水化物の順で食べることを心がけましょう。こうすることで血糖値が急激に上がらないようになるだけでなく、脂肪の合成も抑えてくれます。

よく噛んで食べることで血糖値の上昇を抑え、食事に時間をかけることから満腹中枢が刺激され食べすぎになりにくいということも大切なポイントです。また、食材を大き目に切ると、よく噛む習慣をつけることができます。大き目に切ると火が通りにくい野菜などは、電子レンジで下ごしらえをして少し柔らかくしてから調理するとよいでしょう。

また、起きたばかりの血糖値が低い状態のときに、急に糖分が多い菓子や菓子パンなどを食事代わりにすると、血糖値が急激に上がってしまいます。甘いものを食べるならば、活動してエネルギーを消費しやすい昼がおすすめです。とはいっても、菓子類を食べる回数や量、時間などをしっかり決め、一度に食べ過ぎたりだらだらと続けて食べてとりすぎにならないように注意しましょう。

55153

<参考文献>
■松田脳神経外科クリニック
『頭痛外来』

■アステラス製薬
『糖尿病』

■国立国際医療研究センター研究所 糖尿病情報センター
『低血糖』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

砂糖を使用した甘いものを食べないようにしていない人は、頭の片側が痛むことが多くなるリスクが2.28倍になります。

A: 砂糖を使用した甘いものを食べないようにしていますか?
B: 頭の片側が痛むことは多いですか?

A
はい いいえ
26.2%
81人
73.8%
228人
B
はい いいえ はい いいえ
5.83%
18人
20.39%
63人
29.13%
90人
44.66%
138人
Z検定値 2.8
オッズ比 2.28
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。