なかなか寝れないときには納豆パワー
リスク
2.05倍

なかなか寝れないときには納豆パワー

月に1回以上、納豆を食べていない人は、寝つきが悪くなるリスクが2.05倍になります。

解説

入眠障害の原因は?

「寝つきが悪い」というのは布団に入ってもなかなか寝られない状態で、これを“入眠障害”と呼びます。寝つけないために睡眠時間が減ってしまい、長期間にわたって寝不足(睡眠負債)がたまった状態が続くと健康を損ねてしまうこともありますから、軽く見るわけにはいきません。こうした入眠障害の原因は、主に3つあります。

1つは精神的ストレスです。通常、眠るときはリラックスするために自律神経の中でも副交感神経が優位になります。ですが、ストレスがかかったままだと交感神経の方が活発になってしまいます。

2つ目は体温調節の不具合です。普通ならば体温はおきているとき高めになっていて、眠りにつくときには1℃ほど下がるようになっています。この体温の変化によって眠気を感じるようになるのですが、いつまでも体温が高いままだと眠気を感じにくくなります。

そして3つ目は体内時計の乱れです。普通なら昼に日の光を浴びることにより、身体は昼と夜を区別して体内時計を合わせています。しかし、1日中部屋にこもっていたり、夜勤の仕事があったり、寝る直前までテレビやパソコンなどを見ていて目に強い光の刺激を与えていたりすると、体内時計は狂いやすくなってしまうのです。

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入眠障害には納豆のトリプトファン!

そんな入眠障害の改善には、原因となっている生活を見直すことが重要です。それだけでなく、睡眠に関係するホルモンの“セロトニン”と“メラトニン”が体内で十分な量を作りだせていることも重要です。これらの成分は“トリプトファン”というアミノ酸から、まずセロトニンが作られ、次にこのセロトニンがメラトニンに変わるという順番で作られます。

この2つの成分はどのように寝つきを良くしてくれるのでしょうか?セロトニンは自律神経の調節や感情に関係しており、感情を整えることで精神的ストレスを減らし、自律神経を整えます。体温調節も自律神経が関係しているので、自律神経が整うということは体温調節の改善にもつながります。

メラトニンは「睡眠ホルモン」ともいわれ、身体を眠りやすい状態にしてくれます。メラトニンは、朝に日の光を浴びると、その14時間後あたりで分泌されるようになっています。つまり、メラトニンは体内時計として機能しているというわけですね。ところが材料になるトリプトファンが不足すると、これらの睡眠に関わる成分を作ることができなくなってしまうのです。

トリプトファンは、人が身体の中で作ることができない必須アミノ酸の1つです。つまり、食事で摂取するしかないのですね。

そこでおすすめなのが、トリプトファンを豊富に含む納豆です。睡眠を改善することが目的であれば、できれば朝ではなく夕食に食べるとよいでしょう。トリプトファンは肉や大豆そのものにも多く含まれていますが、肉や大豆はそのままだと消化が悪く、夕食に摂取すると胃もたれを起こしてかえって寝にくくなってしまいます。その点、消化の良い納豆ならトリプトファンをたくさんとりつつ眠るときには消化が終わっているのでおすすめなのです。

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<参考文献>
■文部科学省 食品成分データベース
『食品群名/食品名:豆類/だいず/[納豆類]/糸引き納豆』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、納豆を食べていない人は、寝つきが悪くなるリスクが2.05倍になります。

A: 月に1回以上、納豆を食べていますか?
B: 寝つきが悪いほうですか?

A
はい いいえ
72.8%
225人
27.2%
84人
B
はい いいえ はい いいえ
26.21%
81人
46.6%
144人
14.56%
45人
12.62%
39人
Z検定値 2.8
オッズ比 2.05
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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