歩いてすっきり目覚めよう
リスク
2.09倍

歩いてすっきり目覚めよう

1日に30分以上、歩いていない人は、朝起きられないことが多くなるリスクが2.09倍になります。

解説

1日は24時間ですが、人の体内時計はおよそ25時間周期で若干の誤差があります。朝に気持ちよく目覚めるには、体内時計を調節する必要があります。そうすれば起きたい時間にすっきりと目覚めることができるでしょう。

体内時計をつかさどるのが“セロトニン”というホルモンです。このセロトニンは、日中の活動が盛んな時間は体温調節や体内時計のコントロールをしています。夜になるとこのセロトニンが眠気を誘うホルモンに変化し、自然と眠くなるのです。

では、セロトニンをしっかり分泌させるにはどうすればよいのでしょうか。それは「歩くこと」です。セロトニンはテンポよい刺激を受けると分泌が促されます。それにぴったりなのが歩くときのリズムなのです。

ある研究では、1日に30分、1週間のうち5日以上歩いている人は寝つきがよく、途中で目覚めることなく朝までぐっすり眠れる、というデータが報告されています。

ですから、気持ちよく目覚めるために歩くことが必要なんですね。

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朝から始まる体内時計を目指そう

人に時計を一切見せず時間が全く分からない環境で生活させる、という実験を行った結果、目覚める・寝るのサイクルが約25時間周期の人が多かったといわれています。1日は24時間なので、体内時計の25時間周期とは差が出てしまいますね。

では、この差をどう埋めればよいのでしょうか。それは日中にある程度の刺激を受けるとよいとされています。この刺激で体内時計が調節されるので、身体が朝すっきりと目覚めるようにコントロールすればよいのです。

最もよいとされる刺激が、朝日を浴びることです。朝に目が覚めたらカーテンを開けて太陽の光を存分に浴びてみましょう。そうすると日中に活動するセロトニンというホルモンが分泌され、体温が上がり活動的な身体になっていきます。

太陽の光を浴びてからおよそ13時間後、日が落ちて夜になると、セロトニンをもとに“メラトニン”という眠りのホルモンが分泌されます。このメラトニンによって体温が徐々に下がり眠くなってくるのです。

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ウォーキングでテンポよい刺激を

太陽の光以外で、身体にある程度の刺激を与えて体調をコントロールしてくれるのが、テンポよい運動です。

ではテンポよい運動とは何かというと、ウォーキングがベストでしょう。リズムよく歩くことで身体に適度な刺激を与え、セロトニンが多く分泌されるようになります。ちなみに、ネコは毛づくろいでペロペロ身体を舐めるとセロトニンが分泌されるそうです。不思議ですね。

もし「寝付けない」「夜中によく目が覚めてしまう」などという不眠の症状で困っている人は、1日30分以上のウォーキングを1週間のうち5日以上すれば改善される、という報告もあります。ウォーキングはその刺激によって身体のリズムをコントロールし深い眠りを得ることができます。だから朝すっきりと気持ちよく目覚めることができるのです。

「それなら寝る前に運動すればよいのでは?」と考える人がいると思いますが、あまり激しい運動を夜に行うと、身体に刺激を与えすぎてしまいます。すると身体が興奮した状態が続いて、結果的に寝つきが悪くなってしまいます。ですから、寝る前にランニングなどの激しい運動は行わない方がよさそうです。


統計データ

1日に30分以上、歩いていない人は、朝起きられないことが多くなるリスクが2.09倍になります。

A: 1日に30分以上、歩いていますか?
B: 朝起きられないことは多いですか?

A
はい いいえ
37.5%
108人
62.5%
180人
B
はい いいえ はい いいえ
9.38%
27人
28.13%
81人
25.69%
74人
36.81%
106人
Z検定値 2.77
オッズ比 2.09
信頼度 99.4%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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