解説
「仕事が忙しくてなかなか睡眠がとれない」「夜遅くまで勉強してるから朝起きられない…」こんな生活を送っている人は、せっかくのがんばりが実は昼間の集中力を低下させる原因になってしまっているかもしれません。
解決のカギとなるのは、睡眠の取り方と体内時計のリズム。睡眠には、“メラトニン”と呼ばれるホルモンの一種と、体温の調節が大きく関わっています。メラトニンは目覚めてから約13~16時間くらい経つと分泌され始めます。つまり朝6時に起きたとすれば午後7時以降。このホルモンが分泌されると、だんだんと眠気を催して自然で快適な睡眠をえられるのです。
そしてメラトニンの分泌が減って体温が上がってくる午前4~5時ごろ、ゆっくりと寝覚めに向かっていきます。これが1日の体内時計サイクルなのですが、夜更かしや睡眠不足でこのリズムが前後にズレてくると常に眠気を催し、昼間に仕事や勉強に集中できなくなってしまいます。
そんなときは、太陽の光を浴びるのが効果的です。すると、身体の中でメラトニンの元となるセロトニンが作られ、ホルモンのリズムを正常に戻すことができるんです。
太陽の光は午前中にしっかりと浴びるとよいでしょう。それから、朝ごはんをしっかり食べておくと、セロトニン、メラトニンの元となるたんぱく質をとることができますよ。

<参考文献>
■井上雄一・岡島義著 朝倉書店
『不眠の科学』
■文部科学省 科学技術・学術審議会・資源調査分科会報告書
『第3章 健康なくらしに寄与する光 2 光の治療的応用―光による生体リズム調節―』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
日光を浴びる生活をおくっていない人は、人よりも集中力が続かないリスクが2.25倍になります。
A: 日光を浴びる生活をおくっていますか?
B: 人よりも集中力が続かないほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
64.0%
382人 |
36.0%
215人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
16.42%
98人 |
47.57%
284人 |
15.75%
94人 |
20.27%
121人 |
Z検定値 | 4.54 |
---|---|
オッズ比 | 2.25 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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