食欲がないときに必要な栄養は野菜から!
リスク
2.6倍

食欲がないときに必要な栄養は野菜から!

週に1回以上、根菜や野菜を食べていない人は、食べたい気持ちが起こらず、食事をとらないことがおきるリスクが2.6倍になります。

解説

食欲がないときはまずビタミンB1を

「なんとなくおっくうで食べるのも面倒…」そんなことはないでしょうか。食事は人間を含む動物にとって必要不可欠であり、食べたいという気持ちは本能でもあります。ということは、食べたくないという気持ちは生命の維持からみて重要な問題です。そのまま放置せず、必要な栄養をとるように心がけましょう。

こんなとき最も大切な栄養素の1つがビタミンB1です。ビタミンB1は疲労回復に役立つビタミンで、食事がとれないときに病院で行う点滴や栄養ドリンクにも入っています。ビタミンB1は食事からエネルギーを作り出すときに必要になる栄養素です。食事をしっかりしていても、ビタミンB1が不足しているとエネルギー不足になって疲れを感じやすくなってしまうのです。土用の丑の日にウナギを食べると夏バテによいとされていますが、これはウナギに豊富に含まれるビタミンB1の効果であると考えられます。

もちろん、ビタミンB1を多く含む食品はウナギだけではありません。野菜ならば春のさやえんどう、夏のかぼちゃにとうもろこし、秋はさつまいも、冬はブロッコリーなどがあります。

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夏バテのときにはビタミンB1と水分、そしてアリシン

特に食欲が落ちやすいのは夏バテの時期。そんな夏バテの場合の栄養のポイントは水分・ビタミンB1・アリシンです。

夏は汗をかいて水分やミネラルが失われがち。1日に必要な水分は2.5リットルにもなります。そんなときには、食事に水分が豊富な野菜をとり入れましょう。特に夏野菜といわれるキュウリやトマトは水分の割合が90%以上もあります。

夏バテの原因の1つにはエアコンの使い過ぎが考えられます。暑いからといってエアコンをガンガンに効かせると、外の暑さと室内の温度差で自律神経が乱れ、さらに体調を崩してしまうこともあるのです。そんなとき、キュウリやトマトなどの夏野菜をとると身体を冷やしてくれる効果があり、エアコンだけに頼らずに暑さ対策ができます。

玉ねぎやにんにく、ネギ、大根やわさびなど、ツーンとした香りが特徴の野菜には、ビタミンB1の消化吸収を促してくれる栄養素の“アリシン”がたくさん含まれています。アリシンは熱に弱く水に溶けやすいので、洗うときは手早くしましょう。油とは相性がいいので炒め物などがおすすめです。

食欲がないからといってそのままにすると、汗とともにビタミンB1はさらに失われてしまいます。野菜から上手にビタミンB1やアリシン、水分をとるように心がけましょう。

食欲がなくて食べる量が減ると、腸の動きを促進する食物繊維が足りなくなって便秘がちになり、お腹が張った感じがしてますます食欲がなくなる…ということも起こりやすくなります。こんなときには、根菜の力を借りましょう。根菜というとニンジンや大根、里芋、ごぼうなど冬野菜のイメージもありますが、ショウガのように夏に新物が出回るもの、ツンとくる辛さが食欲を刺激するわさび、サラダで美味しいラディッシュなども根菜の仲間です。食物繊維たっぷりの根菜を食べて腸を整え、食欲をとり戻しましょう。

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<参考文献>
■全国健康保険協会
『8月 夏バテを防ぎ、元気に暑さを乗り切る!』

■農林水産省
『食料需給表の概要』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、根菜や野菜を食べていない人は、食べたい気持ちが起こらず、食事をとらないことがおきるリスクが2.6倍になります。

A: 週に1回以上、根菜や野菜を食べていますか?
B: 食べたい気持ちが起こらず、食事をとらないことがありますか?

A
はい いいえ
89.6%
277人
10.4%
32人
B
はい いいえ はい いいえ
24.92%
77人
64.72%
200人
5.18%
16人
5.18%
16人
Z検定値 2.59
オッズ比 2.6
信頼度 99.0%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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