解説
アスパラガスには健康に良い栄養素がいっぱい!
アスパラガスは、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、トマトなどの、色の濃い野菜の仲間で、これらを緑黄色野菜といいます。緑黄色野菜には、β−カロテンが多く含まれおり、体内で必要に応じて、ビタミンAに変わります。
ビタミンAは、皮膚や粘膜などの上皮細胞の働きを正常化する作用がありますので、このビタミンが不足すると肌荒れを起こしたり、風邪をひきやすくなったりします。
ビタミンAのほかにも、糖質代謝に関わるビタミンB1、脂質代謝に関わるビタミンB2、貧血を予防し増血のビタミンといわれる葉酸、血管を丈夫にし血圧を下げ、抗酸化作用があるルチン、疲労回復効果がある、アスパラギン酸など、健康に良い栄養素がたっぷり含まれています。
アスパラギン酸は疲れを取りスタミナをつける効果もありますので、ドリンク剤などにその成分の名が書かれているものも多く見かけられます。

美容にも良いアスパラ。アスパラギン酸のパワーとは?
この健康に良いアスパラガスには、頭皮の痒みを予防するという美容の面でも優れた効果があることをご存じでしょうか?アスパラガスを食べることで、健康な頭皮を保ち、頭皮が痒くなるなどのトラブルを減らせる可能性があります。
髪の毛の主成分は、たんぱく質であり、たんぱく質はアミノ酸が結合してつくられています。アスパラガスに含まれるアスパラギン酸はケラチンなどの髪の毛を作るアミノ酸の1つなので、頭皮に痒みがある方はアスパラガスを食卓に取り入れてみると良いでしょう。
たんぱく質は、人の身体の中では作り出せない、必須アミノ酸と体内で合成できるアミノ酸の非必須アミノ酸とに分かれています。アスパラガスに含まれているアスパラギン酸は非必須アミノ酸ですが、たんぱく質の元になるので髪の毛の健康にはとても大切。アミノ酸をひとつだけとるのではなく、複数組み合わせてとると栄養のバランスが良くなりますので、どちらも不足なく補充できるように心がけましょう。
また、皮膚や粘膜保護のビタミンAは頭皮の環境を保つ役割もありますので、アスパラを食べると髪の毛にとってダブルのパワーも期待できます。
グリーンアスパラガスといえば、春の野菜。輸入物が通年出回っていますが、穂先のしっかり詰まった緑色の濃いアスパラガスを旬の時期に味わいたいですね。

<参考文献>
■農林水産省
『たんぱく質』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、アスパラガスを食べていない人は、頭皮が痒くなることが多くなるリスクが2.31倍になります。
A: 月に1回以上、アスパラガスを食べていますか?
B: 頭皮が痒くなることは多いですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
24.3%
75人 |
75.7%
234人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
4.53%
14人 |
19.74%
61人 |
26.21%
81人 |
49.51%
153人 |
Z検定値 | 2.6 |
---|---|
オッズ比 | 2.31 |
信頼度 | 99.0% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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