解説
小松菜で集中力アップ!小松菜の栄養とは?
小松菜の別名は「冬菜」といい、旬の冬になると葉が肉厚になり美味しくなりますが、暑さにも強いので現在では1年中手に入れることができる緑黄色野菜です。小松菜は、ほうれん草よりもあくが少なく、スムージーなどにも取り入れやすいという特徴があります。また、栄養も豊富に含まれている上に、下茹でなしで調理することができるため、加熱に弱いビタミンCなどの栄養素の損失を抑えることもできます。
栄養豊富な小松菜には、集中力アップにつながる栄養素も含まれています。小松菜に集中力をアップさせる栄養素があるというのは意外かもしれませんね。これは小松菜に含まれるカルシウムが関係しています。
カルシウムは、脳や神経の興奮を落ち着かせ、イライラを改善し、集中力をアップさせる効果があります。小松菜には、このカルシウムがなんとほうれん草の3倍以上も含まれているのです。日ごろ、カルシウムが不足していると感じている人は、小松菜料理を1品加えてみるのはいかがでしょうか?
カルシウムを取る上で気をつけたいのは、吸収率の問題です。小松菜に含まれるカルシウムを効率よく取るために、吸収率を高めるマグネシウムやビタミンDを一緒に取ることをおすすめします。マグネシウムは胡麻や玄米、ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類から。ビタミンDは、干ししいたけ、きくらげ、鮭、いわしなどに含まれています。
カルシウムとマグネシウムの理想的な比率は2:1といわれていますので、これを意識しながら取るように心がけましょう。

小松菜には、集中力をサポートする栄養素もたっぷり
小松菜には、貧血を予防する鉄分や葉酸、抗酸化作用が強いβ-カロテン、ビタミンC、高血圧やむくみを改善させるカリウムなども豊富に含まれています。
野菜に含まれる鉄分は、肉や魚など動物性の鉄分よりも吸収率は高くありません。ですが、毎日食べやすく、肉、魚、大豆、大豆製品、卵などの良質のたんぱく質と一緒に取れば吸収率がアップします。たとえば小松菜の炒め物に厚揚げを加えたり、鶏のささみをほぐしたものと一緒にごま油で和えたり、卵とじにしたりするなどして、料理に良質のたんぱく質を加えてみましょう。
また、妊娠中の人は葉酸を積極的に取る必要性があります。これは、葉酸が不足すると胎児の脳や脊髄の発達に異常が起きてしまうリスクがあるためです。それだけなく、葉酸は認知症のリスクを減らすという研究報告もあります。高齢者の方も、積極的に小松菜やほうれん草などの葉酸を含む食品を摂取しましょう。
葉もの野菜というと、いったん下茹でが必要になるなど調理が面倒、というイメージもあります。ですが、小松菜ならざくざく切って炒める、出汁で煮るといったかんたん調理もOK。茎の細い柔らかいタイプなら、サラダで食べられるものもあります。お腹の中の赤ちゃんからビジネスパーソン、高齢者まで、脳の働きも身体の調子もサポートする小松菜をたっぷり食べましょう。

<参考文献>
■国立健康・栄養研究所 「健康食品」の素材情報データベース
『葉酸解説』
■文部科学省 食品成分データベース
『たんぱく質:含有量Top 10』
■日本先天異常学会
『日本先天異常学会のメッセージ 葉酸サプリメントの摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクを減らしましょう』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、小松菜を食べていない人は、人よりも集中力が続かなくなるリスクが1.88倍になります。
A: 週に1回以上、小松菜を食べていますか?
B: 人よりも集中力が続かないほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
19.8%
118人 |
80.2%
479人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
4.36%
26人 |
15.41%
92人 |
27.81%
166人 |
52.43%
313人 |
Z検定値 | 2.63 |
---|---|
オッズ比 | 1.88 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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