解説

体内環境を整える、栄養豊富な緑黄色野菜。中でも小松菜には、緑黄色野菜の特徴であるカロテンのほか、カルシウムやミネラル類、食物繊維もたっぷり。さらに、肥満予防に効果が期待されている色素が多く含まれています。
アクの少ない小松菜は、サラダにもぴったりの野菜。生の状態なら、調理によってビタミンが失われにくくなります。小松菜サラダで、効率よく栄養をとりながら肥満を予防して、健康的な体重を維持しましょう!

小松菜は栄養たっぷりの万能選手!
シャキシャキとした食感に味わいがある、小松菜。その別名は“冬菜(ふゆな)”“雪菜(ゆきな)”といわれるように、冬が旬の緑黄色野菜です。現在では1年を通じて栽培できるようになり、どんな季節でも食卓を飾る万能選手ですよね。
そもそも緑黄色野菜とは、赤・緑・黄などの色の濃い野菜のことを指します。日本では、食べられる部分100gにつき、カロテン(カロチン)が600マイクログラム以上含まれていることがその基準のひとつ。
カロテンは、カロテノイドという色素の一種で、体内に悪影響を及ぼす活性酸素を減らす働きがあります。ニンジンやカボチャに含まれるβ−カロテンなどが有名で、免疫を高める効果があるとして注目されています。
そして、緑色の濃い小松菜には、カロテンなどのカロテノイドのほか、骨を作る材料になるカルシウム、血液の成分である鉄などのミネラル類、さらに食物繊維もたっぷり。とても栄養豊富な野菜なのです。

肥満予防に効果アリ?
緑黄色野菜、特に小松菜のような葉物野菜には、“キサントフィル”というカロテノイドが多く含まれています。このキサントフィルの中でも“ネオキサンチン”という色素には、驚きの効果が期待されています。なんと、肥満を予防する可能性があるというのです。
この効果については、まだ研究の途中。ですが、ネオキサンチンを与えたマウスは、血中の脂肪や糖が大きく減ったという報告があります。マウスでの結果とはいえ、人でも同じ効果を発揮してくれないかな〜と期待しちゃいますよね。

いいこと尽くめの小松菜サラダ
ネオキサンチンは、小松菜だけでなく、ほうれん草などのほかの葉物野菜にも含まれています。ですが、小松菜はほうれん草などに比べてアクが少なく水分量も多いため、サラダでも食べやすい緑黄色野菜です。そして、実はこれが大事なポイント。サラダのように、野菜は生で食べることによって、栄養をしっかりとりつつ肥満を予防しやすくなるのです。
実はほとんどの野菜は、茹でることでビタミンが水に溶け出して、身体に吸収されなくなってしまいます。これに対し、熱を加えていない生野菜なら、豊富なビタミンをそのまま取ることができるのです。さらに、茹でて柔らかくなった野菜よりも歯ごたえがいい生野菜なら、噛む回数が増えて少しの量でも満腹中枢が刺激されます。食物繊維が多くシャキシャキとした小松菜は、食事のかさが増えてさらに満足感を得やすくなりますから、いいこと尽くめです!
もし、どうしても生では食べにくいという場合には、さっと短い時間で茹でてください。そのあと水で冷やせば、元の風味でおいしく食べられますよ。
効率よく栄養をとりながら、肥満予防につながるなんて、小松菜はとっても優秀な野菜!今日からさっそく小松菜を食べて、健康的な体重を維持しましょう。

<参考文献>
■Food and Nutrition Sciences
『In Vivo Antioxidant Activity of Fucoxanthin on Obese/Diabetes KK-Ay Mice』
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』
■厚生労働省
『「五訂日本食品標準成分表」の取扱いの留意点について』
執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、小松菜を食べていない人は、標準体重を上回るリスクが2.72倍になります。
A: 週に1回以上、小松菜を食べていますか?
B: 標準体重を上回っていますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
17.4%
50人 |
82.6%
238人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
3.13%
9人 |
14.24%
41人 |
30.9%
89人 |
51.74%
149人 |
Z検定値 | 2.63 |
---|---|
オッズ比 | 2.72 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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