解説

ニンジン、かぼちゃ、ブロッコリーなどの赤や黄色、緑色などの、色の濃い野菜を緑黄色野菜といいます。実は、緑黄色野菜にはインフルエンザを予防する効果があるといわれているのです。
緑黄色野菜には、体内でビタミンAに変わるβカロテンという抗酸化作用をもつ栄養素が含まれています。このβカロテンは、油との相性が良く加熱により吸収されやすくなります。ですから、緑黄色野菜たっぷりのシチューや豚汁は、体を温めて免疫力もアップさせてくれる、インフルエンザの季節におすすめの料理なのです。
また、緑黄色野菜も含め、野菜全般には皮膚や粘膜を保護するビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCもしっかりとると、喉や鼻の健康を守ることができるというわけですね。
そして、人の身体には、インフルエンザなどの感染症から身体を守る免疫というシステムが備わっています。この働きを調節する、大切な役割を持っているのがカルシウム。小松菜などの緑黄色野菜は、大切なカルシウム源になっています。
日本人が1日に食べている緑黄色野菜の平均的な量は、およそ100gくらい。目標は120gですから、毎日の生活にほんの少し足りていないということになります。これはニンジンなら2cmくらい、ほうれん草なら10分の1束くらい。毎日の食事にもう少し緑黄色野菜をプラスして、ビタミンA、ビタミンC、カルシウムとトリプルの栄養素をしっかりとって、インフルエンザを予防しましょう!

<参考文献>
■国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
『ビタミンA解説』
■国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
『カルシウム解説』
■厚生労働省 健康日本21
『栄養・食生活』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、緑黄色野菜を食べていない人は、インフルエンザにかかりやすくなるリスクが6.27倍になります。
A: 月に1回以上、緑黄色野菜を食べていますか?
B: 人よりもインフルエンザにかかりやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
96.1%
297人 |
3.9%
12人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
4.85%
15人 |
91.26%
282人 |
0.97%
3人 |
2.91%
9人 |
Z検定値 | 2.89 |
---|---|
オッズ比 | 6.27 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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