いろんなイライラにはブドウが効果的
リスク
1.88倍

いろんなイライラにはブドウが効果的

年に3回以上、ブドウを食べていない人は、人よりもイライラすることが多くなりやすくなるリスクが1.88倍になります。

解説

即効性のある糖分の効果

ストレスでイライラ、疲れてイライラ、女性なら月経前のイライラ…いろんなイライラがありますね。そんなときにはブドウを食べましょう。ブドウにはイライラを取り去ってくれる成分が多く含まれています。

イライラに即効性があるものといえば「甘いもの」つまり糖質ですね。ブドウ糖という言葉もあるように、ブドウにはブドウ糖や果糖などの糖質が多く含まれています。ほかの糖質と比較してブドウ糖や果糖が優れているのは、それ以上に分解ができないシンプルな形で、身体への吸収が早いという点です。

さらに、ブドウ糖は直接脳で使うことができる唯一の糖質ですから、疲れた脳にすぐに効果を発揮します。また、ブドウにはビタミンB1も含まれています。ビタミンB1には糖質を分解する酵素の働きを助け、食べたものを素早くエネルギーに変換してくれる効果があります。ブドウを食べると、ブドウ糖などの糖質とビタミンB1との相乗効果で素早くエネルギーを得ることができるというわけですね。

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疲れが溜まってイライラしている人には

また、ビタミンB1は糖質を利用する途中にできる乳酸を分解するのにも必要なビタミンです。まだまだエネルギーとして使えるはずの乳酸ですが、代謝が追いつかずに溜まってしまうと疲れを感じてしまいます。ですから、疲労感からイライラしている人はぜひビタミンB1をとりましょう。

同様に疲れが溜まってイライラしている人には、ブドウのさわやかな酸味のもとになる“酒石酸”や“リンゴ酸”などの成分も効果的です。酒石酸にも酸性物質を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労回復に効果があります。リンゴ酸にはクエン酸回路と呼ばれる代謝経路を活発にして、疲れが溜まりにくい身体に変えてくれる効果があります。

不安や悩み事があるときにイライラしてしまうこともあるでしょう。脳では幸せホルモンと呼ばれる“セロトニン”という物質によって情報が伝えられているため、セロトニンが不足すると普段以上に不安を感じたり、パニックになったりといった状態になることがあります。そんなセロトニン不足を防ぐ栄養素のひとつが葉酸です。緑黄色野菜に多い葉酸ですが、ブドウにも含まれているので、ブドウを食べることでセロトニンの量の増やし、心を落ち着かせることができます。

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ミネラル不足のイライラには

実は、ブドウにはカルシウムやマグネシウムといったミネラルも含まれています。カルシウムやマグネシウムは不足すると神経が興奮しやすくなります。普段なら気にならないようなことでイライラしてしまう場合には、これらのミネラルが不足しているかもしれません。女性が月経前にイライラする場合にも、これらのミネラルが効果的です。

不安感や興奮、疲労などさまざまな原因から来るイライラ感に効くブドウ。生のブドウを常備するのは難しいですが、干しブドウや皮ごと食べられる冷凍のものならば保存も可能です。生のブドウならば1日に200g程度、干しブドウならば60~70g程度が目安となります。毎日少しずつブドウ食べて、イライラ知らずですごしましょう。

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<参考文献>
■日本学術協力財団 学術の動向
『新たな乳酸の見方』

■株式会社大塚製薬工場 リスクマネジメントの視点から
『静脈栄養管理時のビタミンB1欠乏』

■テルモ 基礎体温でカラダと話そう
『PMSをやわらげるビタミン・ミネラル』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

年に3回以上、ブドウを食べていない人は、人よりもイライラすることが多くなりやすくなるリスクが1.88倍になります。

A: 年に3回以上、ブドウを食べていますか?
B: 人よりもイライラすることが多いですか?

A
はい いいえ
58.9%
182人
41.1%
127人
B
はい いいえ はい いいえ
25.57%
79人
33.33%
103人
24.27%
75人
16.83%
52人
Z検定値 2.71
オッズ比 1.88
信頼度 99.3%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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