解説
治りにくい吹き出物、食生や生活習慣から見直そう
野菜を食べましょう!と聞くと、やはり定番の生野菜サラダを思い浮かべる人も多いでしょう。生野菜サラダは、家庭でも飲食店でもよく食べられる野菜料理です。
生野菜サラダの利点は、加熱をしないことでビタミンが失われにくく、効率的に栄養素をとることができることです。この生野菜サラダをしっかり食べることが、吹き出物対策につながるのです。
吹き出物には、思春期の頃にできるにきびと、思春期を過ぎてからできる、いわゆる「大人にきび」といわれる吹き出物があります。思春期のにきびは皮脂分泌が過剰になることが原因で、成長と共に自然とよくなっていき、丁寧な洗顔で症状が改善されることがほとんどです。
しかし、思春期を過ぎた後の吹き出物、「大人にきび」は、生活習慣や睡眠、ストレスなどで不規則な生活が続くことによって身体の新陳代謝のリズムが崩れることで発生し、繰り返し起きてしまうことが多い吹き出物です。大人にきびは、洗顔はもとより、食事や生活のバランスの乱れを改善していくことが重要です。

吹き出物には、皮脂を抑えるビタミンCが有効!
生野菜には、美肌作用や抗酸化作用が強いビタミンCが多く含まれています。ビタミンCはハリや弾力を作るコラーゲンの生成、紫外線から肌を守りシミを予防する効果など、美肌を作るための必須のビタミンです。
ビタミンCは、野菜のほかに果物にも豊富に含まれますが、糖分が多く含まれるため1日に200g程度(ももであれば1日に2個まで)を目安に食べるようにしましょう。ビタミンCは抗酸化作用がありますので、皮脂の分泌を抑え、吹き出物を予防し肌を正常に戻してくれます。普段の食事で糖分や脂肪分が多い人は、体内の脂肪が増えることにより、皮脂の分泌も増えてしまいますので、バランスが整った食事が大切です。
生野菜サラダはビタミンCをしっかり補給することができますが、カサが多くたくさん食べるのが難しいという人もいると思います。
その場合は、温野菜を混ぜてみたり、サラダのトッピングにたんぱく質(肉や魚、豆)をプラスすると、おかず感覚で食べることができますので意外とたくさんとることができます。その他、皮膚や粘膜を守るビタミンA(レバー、小松菜、人参)、皮膚の炎症を改善し、脂肪の代謝をスムーズにするビタミンB2(レバー、牛乳、うなぎのかば焼き)、血行をよくし新陳代謝を高めるビタミンE(うなぎのかば焼き、アーモンド、かぼちゃ)などのビタミンも併せてとると効果的です。
また、生活のリズムを整えるには、腸の調子を整えて便秘などを防ぐことも大切です。サラダで食物繊維をしっかりとることで、腸内細菌のバランスを整えることができます。たとえば、トマトの種の部分のとろみには水溶性食物繊維が含まれています。オクラのねばねば、ワカメなどの海藻も同じように食物繊維が豊富です。レタスをメインにしたグリーンサラダにこうした野菜をプラスすることで、味や食感の変化を楽しみつつ、食物繊維をしっかりとることもできるのです。

<参考文献>
■シオノギ製薬
『ニキビ−正しい知識と処置で、にきびを治療しましょう!』
■うるおいのある食生活推進協議会
『もも』
■広瀬寛監修、阿部芳子著 ナツメ社
『あなたを元気にするビタミン—正しい知識ととり方がわかる』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に3回以上、生野菜のサラダを食べていない人は、人よりも吹き出物ができやすくなるリスクが1.44倍になります。
A: 週に3回以上、生野菜のサラダを食べていますか?
B: 人よりも吹き出物ができやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
54.8%
733人 |
45.2%
604人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
14.29%
191人 |
40.54%
542人 |
15.18%
203人 |
29.99%
401人 |
Z検定値 | 3.01 |
---|---|
オッズ比 | 1.44 |
信頼度 | 99.7% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
>数値の見かたはこちら