丈夫な歯を作る、しっかり者の根菜たち
リスク
2.29倍

丈夫な歯を作る、しっかり者の根菜たち

週に3回以上、根菜や野菜を食べていない人は、人よりも虫歯になりやすくなるリスクが2.29倍になります。

解説

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歯は、酸性に弱い性質を持ちます。口内細菌が糖と出会って酸を生み出し、歯を溶かすことでできるのが虫歯です。予防のためには、糖分の少ない野菜を積極的に食べましょう。野菜の食物繊維は、口の中のお掃除もしてくれます。

特にオススメなのは、ゴボウやニンジンなどの根菜です。たくさん噛んで唾液が出ると、口内は酸性から中性に近づき、さらに唾液に含まれる成分が歯の修復にも働きます。硬い野菜を食べて虫歯予防を!

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虫歯ってどうしてできるの?

口の中には、たくさんの細菌が存在しています。これらの口内細菌がかたまりとなって歯の表面に付着しているのが、プラーク、または歯垢と呼ばれるもの。毎日の歯磨きでしっかり落としたい汚れの正体です。

プラークの細菌は、食べものや飲みものに含まれる甘い糖分と出会うとそれを食べ、分解して酸を生み出します。そして、歯の主成分であるリン酸カルシウムの特徴は、酸性に弱く溶けやすいという弱点があります。つまり、プラークが生み出した酸によって、歯が溶かされることで虫歯ができてしまうんです。

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野菜でお口をすっきり

口内細菌は甘いものが大好き。砂糖を使用したお菓子はもちろん、ご飯・麺・パンなどの炭水化物など、糖分の多い食事は口内細菌を元気にし、どんどん酸を発生させます。気をつけていないと、虫歯が増殖してしまうことも…。

虫歯を作らないためには、糖分の少ないものを積極的に食べることが大切。これにぴったりなのは、われらが健康の味方、野菜です。小松菜や菜の花などの葉物野菜には、細菌の栄養になる糖分は少なめ。一方で、カルシウムやリンなど歯を作るミネラルが豊富に含まれており、歯の修復にも一役買っています。さらに、野菜に含まれる食物繊維は、口の中をほうきのようにサッサと掃除してくれちゃうんです。お口の健康のカギは、野菜にあり!

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根菜をしっかり噛むと、虫歯予防に!

虫歯予防のために、特に効果が高いのは、硬めの野菜です。ゴボウやレンコン、生のニンジンなどの根菜がオススメ。硬い食べ物を食べると、必然的に噛む回数が増えますよね。すると、唾液もたくさん出てきます。実は唾液には、酸を中性に近づけてくれる働きがあるんです。

歯は酸に弱い性質を持っていますから、唾液によって口内が酸性になるのを防ぐことができれば、虫歯も防げるというわけ。また、唾液には、歯の成分であるカルシウムやリンも含まれているため、歯の修復にも効果があるのです。

しっかり噛んで、たくさん唾液を出すことが虫歯予防につながります。野菜、特に硬めの根菜をしっかり食べて、すっきりきれいな歯を目指しましょう!

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<参考文献>
■Journal of Dental Research
『The Effects of Sugars Intake and Frequency of Ingestion on Dental Caries Increment in a Three-year Longitudinal Study』

■World Health Organization, Europe
『Social Determinants of Health, The Solid Facts. 2nd edition』

■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に3回以上、根菜や野菜を食べていない人は、人よりも虫歯になりやすくなるリスクが2.29倍になります。

A: 週に3回以上、根菜や野菜を食べていますか?
B: 人よりも虫歯になりやすいですか?

A
はい いいえ
83.0%
239人
17.0%
49人
B
はい いいえ はい いいえ
27.43%
79人
55.56%
160人
9.03%
26人
7.99%
23人
Z検定値 2.65
オッズ比 2.29
信頼度 99.1%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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