ストレスで髪も傷むの?
リスク
2.55倍

ストレスで髪も傷むの?

よく笑う生活をおくっていない人は、人よりも髪にツヤがなくなりやすくなるリスクが2.55倍になります。

解説

「一晩で白髪」伝説の本当

「マリー・アントワネットは、フランス革命で投獄されたとき、一晩で髪が真っ白になった」という伝説があります。非常に強い恐怖、つまりあまりにもストレスが大きすぎると髪の毛があっという間に傷んでしまう、という伝説です。この種の伝説は意外に根強く、1982年にインドネシア上空で火山の噴煙のためエンジンが止まってしまう、という恐怖の事故を経験した旅客機のパイロットが、同じように一晩で白髪になったともいわれています。

恐ろしい体験をして髪が白髪になることが実際に起きたとすれば、髪の毛の色だけでなく健康なツヤも失われてばさばさになってしまったことでしょう。実際には、白髪化が早まるとしても一晩ということはなく、ストレスで健康な髪が抜け落ちて元からあった白髪が目立つようになり、一気に外見が老け込んでしまった人の変化を指しているものと思われます。では、そういったとき頭髪では何が起きているのでしょうか?

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ストレスが髪の老化を加速する

髪の毛を作る頭皮の内側には、毛髪を作る“毛包(もうほう)”という部分があり、たんぱく質の一種“ケラチン”を材料にして何年にもわたって少しずつ髪の毛を作り続けています。毛包で作られる髪の毛には最初は色がついていないのですが、すぐそばに色の元になる“メラニン”を作り出す細胞があり、メラニンを取り込むことで色を持つようになります。

毛包で髪の毛を生み出す細胞は、加齢や活性酸素によってDNAが傷つけられて、少しずつダメージを受けていきます。ストレスを受けたときに分泌されるストレスホルモンは、この活性酸素による細胞のダメージを加速してしまうといいます。このため、髪の毛とその色を作る細胞が正常に働かなくなったり、活動が止まって抜け落ちてしまったり、ということが起こりやすくなります。これがストレスによる髪の傷みにつながっているのではないかと考えられているのです。

頭皮から分泌される皮脂も髪にツヤを与えていますが、加齢により皮脂の分泌は減っていき髪が乾燥しやすくなります。活性酸素ダメージが続くことで老化も進み、皮脂の分泌も減ってしまいます。

こうしたストレスによるダメージから髪を守り、健康なツヤを保つには、ストレスを和らげてリラックスし身体の調子を整えることが大切になります。よく笑うことで身体はストレスによる緊張から解放され、自律神経の働きが整ってよく眠れるようになります。身体の内側から髪の毛が健康になるというわけです。

髪のツヤを守るには、ストレス解消に加えて髪を作る材料になる良質のたんぱく質をしっかり取りましょう。魚にはたんぱく質が豊富に含まれていますが、中でもマグロは髪を乾燥から守る皮脂分泌を整えるビタミンB6も取れるのでおすすめ。健康な髪の成長に必要なビタミンB2はサーモンや豚肉、海苔などに含まれています。また、活性酸素のダメージから身体を回復させるにはビタミンCが大切ですから、フルーツや生野菜サラダなども普段から食べておきたいですね。

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<参考文献>
■Scientific American
『Fact or Fiction?:Stress Causes Gray Hair』

■順天堂醫事雑誌
『髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜』

■笑い学研究
『笑いと笑顔のストレス解消効果:精神生理学的検討』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

よく笑う生活をおくっていない人は、人よりも髪にツヤがなくなりやすくなるリスクが2.55倍になります。

A: よく笑う生活をおくっていますか?
B: 人よりも髪にツヤがないですか?

A
はい いいえ
60.5%
187人
39.5%
122人
B
はい いいえ はい いいえ
15.86%
49人
44.66%
138人
18.77%
58人
20.71%
64人
Z検定値 3.85
オッズ比 2.55
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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