見直そう!ピーナッツが持つさまざまな栄養
リスク
2.06倍

見直そう!ピーナッツが持つさまざまな栄養

週に1回以上、ピーナッツを食べていない人は、月に1回以上、体調不良になりやすくなるリスクが2.06倍になります。

解説

大規模研究で証明されたナッツのパワー

ハーバード大学が発表した「ピーナッツやほかのナッツを毎日食べると死亡率が約20%減る」という論文があります。この論文では、10万人以上の男女を20年以上追跡したデータをもとに、ピーナッツやほかのナッツを摂取する頻度別に死亡率や病気について評価しています。すると、ピーナッツやほかのナッツを毎日摂取する人は、全く食べない人と比較して亡くなる確率が約20%減っていたのです。病気別に見ると、がんや脳卒中で亡くなる人は約10%、心臓病は約30%、腎臓病は約40%も減少していました。

ピーナッツは実は豆の一種ですが、ほかのナッツと同じように殻が硬いこと、形や味がほかのナッツと似ていることから、ナッツとして扱われることも多くあります。また、ほかのナッツと同様に、ピーナッツには栄養がたっぷり詰まっているのです。では、ピーナッツの優れた栄養を見ていきましょう。

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ピーナッツのさまざまな効果

ピーナッツに含まれる栄養で、まず取り上げたいのはビタミンEです。ビタミンEは抗酸化作用をもつビタミンで、老化やがんを防ぐ効果があります。人は生きていると、細胞が酸化しそれが老化やがんの発生につながっていくのですが、ビタミンEによってそれを防ぐことができるのです。

また、ビタミンEは末梢血管を開いて血流を良くする効果があります。冷え症が改善するのはもちろん、身体のすみずみまで血流がしっかり届くことで酸素や栄養が届き、そして老廃物が回収されるのです。筋肉の疲れが取れて肩こりなどが改善し、皮膚の状態も良くなります。

ピーナッツには脂肪がいっぱいで、食べ過ぎていけないのでは?と思うかもしれません。ですが、ピーナッツの脂肪は太りにくく、中性脂肪や悪玉コレステロールを下げる良質な油なのです。血糖値が気になる人にもピーナッツはオススメ。ピーナッツを食べたときの血糖値の上昇はゆるやかで、かつ腹持ちがよく、かえってカロリーの取り過ぎを防ぐことができます。さらにピーナッツに含まれているマグネシウムはインスリンの効きを良くするので、糖尿病の人にもピーナッツは良い効果をもたらす可能性があります。

ピーナッツはお酒のおつまみにもよく出てきますね。実はピーナッツを食べると二日酔いになりにくいのです。二日酔いはアルコールが分解されてできたアセトアルデヒドが原因となって起こるのですが、ピーナッツに多く含まれるビタミンB3(別名ナイアシン)には、アルコールを分解する酵素やアセトアルデヒドを分解する酵素を活性化する働きがあります。アルコールやアセトアルデヒドの分解はおもに肝臓で行われるので、ピーナッツに含まれるナイアシンは肝臓の負担を軽減することにもつながるのです。

1日に食べてよいピーナッツの目安は20粒程度です。ごはん半膳くらいのカロリーがあるので、1日の栄養バランスや全体のカロリーを考えて、ピーナッツを日常的に取り入れたいですね!

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<参考文献>
■The New England Journal of Medicine
『Association of Nut Consumption with Total and Cause-Specific Mortality』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、ピーナッツを食べていない人は、月に1回以上、体調不良になりやすくなるリスクが2.06倍になります。

A: 週に1回以上、ピーナッツを食べていますか?
B: 月に1回以上、体調不良になりますか?

A
はい いいえ
12.4%
74人
87.6%
523人
B
はい いいえ はい いいえ
3.52%
21人
8.88%
53人
39.36%
235人
48.24%
288人
Z検定値 2.69
オッズ比 2.06
信頼度 99.2%
集計数:597人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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