睡眠の悩みは朝ごはんを食べて解決
リスク
2.11倍

睡眠の悩みは朝ごはんを食べて解決

朝食を食べるようにしていない人は、不眠の悩みが起きやすくなるリスクが2.11倍になります。

解説

朝食を食べない人は意外に多い

朝食を食べない習慣の人は男性で14.3%、女性は10.1%にものぼるといいます。また、20代〜30代の男性では朝食を抜いている人の割合は30%とかなり高くなります。朝食を食べない理由としては、「出勤前に食事の時間を確保できない」、女性では「ダイエットのために食事を抜いている」ということが挙げられます。しかし、医学的に見れば、やはり朝食は重要です。1日の最初の食事を抜くと午前中の頭の働きが低下したり、空腹感から昼や夜を食べ過ぎてしまい、生活習慣病の原因になることもわかっています。

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1日の体温変動が良眠につながる

習慣的に朝食を抜くことは、頭の働きの低下や食べ過ぎを引き起こすだけでなく、不眠とも関係しているのです。これは、体温のリズムと関係があります。人間の体温は1日のなかで変動していて、もっとも低くなるのが早朝です。そこからだんだん体温が上がり、夕方にピークになります。そして眠りにつく時間になると体温が低下し、この変化によって眠気が出るようになっているのです。

この体内時計の調節は主に朝に行われているのですが、朝ご飯をしっかり食べないと朝になって体温を上げるだけのエネルギーが得られないため、体内時計のリセットがうまくできず、体温変動のリズムが整わないことがあります。すると、夜になってもうまく眠気を感じることができないため、不眠につながるのです。

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生活リズムと朝食の見直し

寝付けなかったり、眠りが浅かったりといった悩みを抱えている人は、朝食を含めた1日の生活を見直してみましょう。夜更かしして寝る寸前まで食べてしまう人は、朝になっても空腹感を感じにくいため、朝食をスキップしてしまうこともあります。こうした場合、「朝ご飯を食べよう」と頑張るだけでなく、きちんと適切な時間に夕食をとって寝るという前日の夜の生活も含めて見直し、1日の生活リズムを整えることが重要になるのです。

また、朝食を準備する時間がとれないといった部分で困っているのであれば、まず朝起きたら牛乳や野菜ジュースを飲むだけでも良いでしょう。調理が不要なヨーグルトやチーズ、パンや缶詰といった簡単なものでよいので常備しておくと、簡単に朝食をとることができます。まずは5分だけでも朝食の時間をとることを目標にしてみてはいかがでしょうか。

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<参考文献>
■厚生労働省
『平成27年「国民健康・栄養調査」の結果』

■テルモ体温研究所
『体温は変動している?』

■農林水産省 みんなの食育
『朝ごはんを食べていますか』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

朝食を食べるようにしていない人は、不眠の悩みが起きやすくなるリスクが2.11倍になります。

A: 朝食を食べるようにしていますか?
B: 不眠の悩みはありますか?

A
はい いいえ
73.1%
226人
26.9%
83人
B
はい いいえ はい いいえ
18.77%
58人
54.37%
168人
11.33%
35人
15.53%
48人
Z検定値 2.8
オッズ比 2.11
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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