イビキのうるさい人に緑黄色野菜が効く!?
リスク
6.45倍

イビキのうるさい人に緑黄色野菜が効く!?

月に1回以上、緑黄色野菜を食べていない人は、人よりもイビキがうるさくなるリスクが6.45倍になります。

解説

日本人の野菜摂取量は少ない

野菜には“淡色野菜”と“緑黄色野菜”があり、厚生労働省は可食部100gあたりのカロテンの量で違いをわけています。緑黄色野菜は、原則としてカロテンの量が600μg以上のものをさし、具体的にはほうれん草や小松菜、かぼちゃ、にら、ブロッコリー、にんじん、さやえんどうなどが緑黄色野菜に分類されます。

例外として、カロテンの量が600μg未満でも一度に食べられる量や回数が多いものはカロテン源として緑黄色野菜に分類されます。たとえば、トマトやアスパラガスなどがそうです。

厚生労働省は、野菜摂取量の目標量を1日350g以上、緑黄色野菜は120g以上と定めています。しかし、実際に日本人が摂取している野菜の摂取量は平均約300gで、緑黄色野菜も約100g程度といわれています。

日本人は、以前は野菜や穀物、魚を中心とした健康的な和食を食べていましたが、最近では食生活の欧米化で肉類や脂質、糖質の摂取量が多く、野菜や魚は不足しています。結果として、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が増えていることがわかっています。

肥満は多くの病気の原因になるといわれており、たとえば睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。肥満によって空気の通り道が狭くなり、寝ている間のイビキがうるさく、日中も眠気や頭痛がある人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、心臓病や脳卒中だけでなく、交通事故を起こす危険性が高いことが知られており、突然死の原因にもなります。

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緑黄色野菜を積極的にとろう!上手なとり方とは

緑黄色野菜には、カロテンだけでなく、鉄やカルシウム、ビタミンなども豊富に含まれていることが多く、日本人にとって不足しがちな栄養素を補うことができます。カロテンには、抗酸化作用といって身体の中で過剰に産生される有害な活性酸素を除去するはたらきがあります。活性酸素は老化や動脈硬化、がんの原因になると考えられています。

緑黄色野菜に含まれるカロテンは油と一緒だと吸収がよいことが知られているので、オリーブオイルなどを使用して炒めたり、チーズと一緒に焼いたりして摂取するとよいでしょう。緑黄色野菜に含まれるビタミンのなかで、ビタミンBやCは一度にとっても汗や尿で失われるので、朝昼夜と毎食食べるようしましょう。

野菜不足を気にして野菜ジュースで補おうとする方がいますが、ビタミンCや食物繊維が失われていることがあるため、なるべく食事として摂取するように心がけましょう。

肥満の方の食事は、そうでない方に比べて野菜の摂取量が少ないことがわかっているので、身体へのよい効果を期待できる緑黄色野菜を食べるように心がけて体重を減らせれば健康の維持につながります。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『緑黄色野菜(りょくおうしょくやさい)』

■Journal of rehabilitation and health sciences
『中高年女性における運動習慣の有無と食事摂取状況との関連(1) : 食物摂取頻度調査 』

■Annual report of Research Institute of Life and Health Sciences
『生活習慣と健康づくりと生活習慣病の予防』

■Journal of Nagoya Bunri College
『食物繊維摂取量について』

■Nagoya J. Health, Physical Fitness, Sports
『BMI30kg/m2以上の若年肥満男性の食事および身体活動の特徴』

執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、緑黄色野菜を食べていない人は、人よりもイビキがうるさくなるリスクが6.45倍になります。

A: 月に1回以上、緑黄色野菜を食べていますか?
B: 人よりもイビキがうるさいですか?

A
はい いいえ
96.1%
297人
3.9%
12人
B
はい いいえ はい いいえ
17.15%
53人
78.96%
244人
2.27%
7人
1.62%
5人
Z検定値 3.48
オッズ比 6.45
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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