インスタント食品の食べ過ぎがいびきの原因に
リスク
2.44倍

インスタント食品の食べ過ぎがいびきの原因に

インスタント食品を食べないようにしていない人は、人よりもイビキがうるさくなるリスクが2.44倍になります。

解説

食べやすいインスタント食品の弊害

いびきとは、寝ているときに呼吸の通り道が狭くなって音が出る状態です。「最近いびきをかくことが多いなぁ…」と悩んでいる人は、もしかしたらインスタント食品を食べ過ぎているのかもしれません。では、どうしてインスタント食品の食べ過ぎはいびきを引き起こす可能性があると考えられるのでしょうか。

1つはインスタント食品の食べやすさと関係しています。インスタント食品は「温めるだけ」「湯を注ぐだけ」のように最小の手間で食べられるようにあらかじめ調理加工された食品です。もちろん手軽に作ることができて、保存もきくといった利点もありますが、食べやすさを追求しているためあまり噛まなくても食べられるものが多いのです。

食事のときに噛む回数が減ると、噛むことに関連した口やのど周りの筋肉が衰えます。すると、寝ているときに舌を持ち上げる筋肉も弱くなるため、舌がのどの方に落ち込んでしまい、いびきが出やすくなります。さらに、口を閉じる筋肉も衰えるので、口が開きがちになり、口呼吸になりやすくなります。通常寝ているときは鼻呼吸をするのですが、口呼吸になると下あごがのどの方に寄ってしまいます。すると、空気の通り道である気道がせまくなるため、いびきにつながるのです。

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いびきで最も多い原因は肥満

もう1つインスタント食品がいびきに関係しているのは、そのカロリーです。インスタント食品は食べやすいため、食べ過ぎにつながりやすくなります。しっかり噛まずに食べることは早食いの原因になって、満腹感を得られる前にたくさん食べられてしまうのです。

それだけでなく、インスタント食品そのものも満足感を満たすためにカロリーの高いものが多くみられます。間食として食べてしまうなど、インスタント食品を摂取することが多いと肥満につながってしまいます。太るとのどや舌にまで脂肪がついてしまうため、のどの内側が狭くなっていびきが出やすくなってしまいます。

いびきに関連した病気として“睡眠時無呼吸症候群”があります。寝ている間に何度も呼吸が止まってしまう病気で、寝たはずなのに日中も眠く、居眠り運転の原因にもなってしまう病気です。最近では睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病、不整脈や脳卒中の危険性が上がることもわかってきています。睡眠時無呼吸の原因の1つには肥満があり、放置してはいけない病気です。

いびきを指摘された人はインスタント食品を控えてみましょう。しっかり噛むことができる食材を食事に取り入れ、早食いを防止するといった工夫が必要です。肥満の場合は、食べる量や回数を見直してダイエットにも取り組みましょう。

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<参考文献>
■帝人在宅医療 睡眠時無呼吸なおそう.com
『睡眠時無呼吸症候群が招く合併症』

■耳鼻と臨床
『耳鼻咽喉科におけるいびきカウンセリングの必要性』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

インスタント食品を食べないようにしていない人は、人よりもイビキがうるさくなるリスクが2.44倍になります。

A: インスタント食品を食べないようにしていますか?
B: 人よりもイビキがうるさいですか?

A
はい いいえ
38.8%
120人
61.2%
189人
B
はい いいえ はい いいえ
4.53%
14人
34.3%
106人
14.89%
46人
46.28%
143人
Z検定値 2.74
オッズ比 2.44
信頼度 99.3%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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