鶏肉のビタミンB群で足の困った痛みが改善
リスク
5.5倍

鶏肉のビタミンB群で足の困った痛みが改善

月に1回以上、鶏肉を食べていない人は、足にチクチクした痛みが起きやすくなるリスクが5.5倍になります。

解説

足のチクチクした痛みの背後に病気あり

足がチクチク痛む原因にはどんなものがあるのでしょうか?足の痛みは足に原因がある場合と、足とつながる神経がある腰が原因の場合があります。

腰が原因の場合には、ある程度決まった範囲で症状が出るため、病院を受診すれば腰周辺のどの部分に異常があるか、診察で推測することができます。腰が原因で足に痛みの症状が出る病気には、“腰椎ヘルニア”、“脊柱管狭窄症”、“腰椎分離すべり症”、“坐骨神経痛”などがあります。「腰の病気なら、腰痛になるのでは?」と思われるかもしれませんね。腰の病気でも腰痛を伴わない場合もあるため、「腰が痛くないから腰は関係ない」とは一概にいえないのです。腰の病気があるかどうかは整形外科で判断が可能です。

足がチクチクする感覚が数日続いた後に、同じ場所に小さな赤い斑点が現れたり、水ぶくれのような小さく盛り上がる発疹が現れたら“帯状疱疹(たいじょうほうしん)”かもしれません。この場合は、発疹に気づいたらすぐに皮膚科を受診しましょう。初期の治療が遅れると、発疹が改善しても神経痛が残りやすくなります。

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末梢神経炎ならビタミンB群不足かも?

これらの病気がないのに足がチクチクする、そして鶏肉をほとんど食べていない人は、もしかしたら末梢神経炎かもしれません。末梢神経とは、脳や脊髄などの中枢と筋肉や皮膚などの器官を結ぶ神経です。この神経に炎症が起きることでチクチクすることがあるのです。

この末梢神経炎は、糖尿病や感染症、ヒ素中毒などが原因で起こります。それだけでなく、ビタミンB1やB5、B12の不足でも起こります。インスタント食品ばかり食べている人は、ビタミンB1の摂取量が不足しやすくなりますし、お酒をよく飲む人は、アルコールの代謝でビタミンB1が大量に消費されてしまうため、ビタミンB1が不足しがちになります。ビタミンB1は末梢神経の神経伝達に関係しているので、不足すると末梢神経が誤作動を起こしてチクチクとした痛みが出ます。

ビタミンB5は“パントテン酸”とも呼ばれ、抗生剤を服用している人や妊娠中の女性は不足しがちです。ビタミンB5は神経伝達物質を作り、神経細胞の合成を促します。ビタミンB12はベジタリアンや、胃を手術で切除した人に不足しやすいビタミンです。ビタミンB12は末梢神経の細胞を作るのに必要な成分です。

鶏肉はこれらの成分がすべて含まれている食材です。特にインスタント食品が多い人やアルコールをよく飲む人、妊娠中の人はこれらのビタミンが不足しないよう、食事のメニューに鶏肉を取り入れましょう。むね肉やもも肉など食べやすい部位に加えて、レバーやハツなどの部位を加えると、ビタミンB1やB12などを取りやすくなります。

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<参考文献>
■日本臨床麻酔学会誌
『急性期の帯状疱疹の治療』

■文部科学省 食品成分データベース
『食品成分ランキング』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、鶏肉を食べていない人は、足にチクチクした痛みが起きやすくなるリスクが5.5倍になります。

A: 月に1回以上、鶏肉を食べていますか?
B: 足にチクチクした痛みはありますか?

A
はい いいえ
92.2%
285人
7.8%
24人
B
はい いいえ はい いいえ
3.24%
10人
89.0%
275人
1.29%
4人
6.47%
20人
Z検定値 2.98
オッズ比 5.5
信頼度 99.7%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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