解説
枝豆の不思議。実は野菜?
枝豆と聞くと、お酒のおつまみをイメージする人も多いでしょう。居酒屋の定番であり、ビールと枝豆という組み合わせもすっかりおなじみですねね。
枝豆にはアルコールを分解する栄養成分が含まれていて、二日酔い防止や肝臓の機能を助ける作用があります。栄養学的に見ても、お酒のおつまみに枝豆を食べるのは理にかなっていたというわけですね。
枝豆は夏が旬ですが、冷凍のものならば1年を通して比較的手に入りやすいといえます。また、冷凍の枝豆は、食品が痛みやすい夏の時期にお弁当に入れると、保冷の効果が期待できます。夏の暑い季節には、ぜひお弁当に冷凍の枝豆を加えてみましょう。
さて、枝豆は「豆」と書きますので、豆類に分類されると思われるかもしれません。ですが、実は野菜に分類されます。枝豆は大豆が成熟する前に収穫されたもので、大豆の栄養成分と緑黄色野菜の栄養成分、どちらの栄養成分も併せ持つ優れた食材です。

枝豆のイソフラボンがストレスを和らげる
栄養面で優れているだけでなく、枝豆にはストレスを感じにくくする効果があるといわれています。これは、枝豆に含まれる“イソフラボン”とよばれる抗ストレス作用を持つ栄養成分と関係があると考えられています。
人がストレスを感じたときにはストレスホルモンの一種が分泌されます。イソフラボンは、このホルモンを作る働きをブロックする作用があります。また、イソフラボンには、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)という若返りホルモンの分泌を促す働きもあります。ストレスホルモンの分泌が少なくなり、反対に若返りホルモンが増えることで、身体がストレスに対抗しやすい状態になるというわけですね。
また、イソフラボンは、ストレスを和らげるだけではなく、女性ホルモンと似た働きをする栄養素です。お肌のハリを良くする、更年期症状の改善など、女性には嬉しい効果があります。イソフラボンをとりながら運動をすると、年齢とともに骨がすかすかになる症状を防ぐこともできるのです。
枝豆には、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど身体に良い栄養成分が豊富に含まれています。枝豆はおつまみだけでなくサラダ、煮物のトッピング、お弁当のおかずなど、あらゆる料理にアレンジしやすい食材です。最近、ストレスがたまっていると感じている方は、ぜひ枝豆の料理を取り入れてみましょう。ただし、女性が1日にとりたいイソフラボンを枝豆だけで食べようとすると、120粒(さやの数では40〜60個)とかなりの量になってしまうため、豆腐や納豆、豆乳などほかの大豆製品と組み合わせるようにしましょう。

<参考文献>
■国立健康・栄養研究所
『大豆製品の有効性』
■日本家政学会
『ストレス時分泌ホルモン共存下における食用植物のestrogen receptor結合及び細胞増殖への影響』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、枝豆を食べていない人は、ストレスを感じやすくなるリスクが2.35倍になります。
A: 月に1回以上、枝豆を食べていますか?
B: ストレスを感じやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
19.7%
61人 |
80.3%
248人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
10.36%
32人 |
9.39%
29人 |
57.93%
179人 |
22.33%
69人 |
Z検定値 | 2.96 |
---|---|
オッズ比 | 2.35 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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