解説
お酒は好きですか?飲んだお酒のアルコールはどうやって分解されるのでしょうか。身体に入ったアルコールはまず、肝臓でアセトアルデヒドという物質になり、最後は二酸化炭素と水になって身体から出ていきます。
アルコール分解の途中でできるアセトアルデヒドは、二日酔いの原因といわれる毒性のある物質です。お酒を急に飲みすぎて身体の中にアセトアルデヒドの量が増えると、肝臓の働きを弱めてしまい、いつまでもアルコールが身体に残って二日酔いに…という悪循環に陥ると考えられています。
アルコールは、胃よりも小腸のほうが吸収が早いため、消化をゆっくりにしてアルコールが急に小腸に入りにくい飲み方が大切です。つまみと一緒にゆっくり飲むと悪酔いしにくいといわれるのはこのためですね。消化をゆっくりにする食べ物といえば、たんぱく質。鶏肉はたんぱく質豊富な、理想的なつまみなのです。
ただし、アルコール分解中の肝臓は脂肪を分解する働きが弱くなっています。唐揚げのような油の多い食べ物をとりすぎると、肝臓に脂肪がつく脂肪肝のもとにもなりかねません。ささみや胸肉など脂肪の少ない部位がおすすめです。
アセトアルデヒドの代謝には、筋肉も一役買っています。一般的に女性よりも身体の大きな男性のほうが、筋肉があるため二日酔いになりにくいといわれています。鶏肉は筋肉を作る良質のたんぱく質が豊富ですから、つまみだけでなく普段から心がけてとりましょう。

<参考文献>
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『アルコールの吸収と分解』
■数理解析研究所講究録
『肝臓におけるアルコール代謝の数理モデリング:肝障害の発生メカニズムとその予防策』
執筆 : 麓加誉子
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、鶏肉を食べていない人は、二日酔いになりやすくなるリスクが3.5倍になります。
A: 月に1回以上、鶏肉を食べていますか?
B: 二日酔いになりやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
92.2%
285人 |
7.8%
24人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
9.71%
30人 |
82.52%
255人 |
2.27%
7人 |
5.5%
17人 |
Z検定値 | 2.7 |
---|---|
オッズ比 | 3.5 |
信頼度 | 99.3% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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