コツコツとストレッチ運動で糖尿病予防
リスク
3.7倍

コツコツとストレッチ運動で糖尿病予防

週に3回以上、ストレッチを行っていない人は血糖値が基準値を超えやすくなるリスクが3.7倍になります。

解説

怖い病気が隠れている高血糖

「血糖値が高い」はよく耳にしますが、これは単に「不健康っぽい」というだけではありません。今後、深刻な病気になるリスクが高くなるため、何らかの対策をしなくてはならない状態だといえます。空腹時の血糖値が基準を超え、糖尿病と診断されると、病気が進むにつれて神経や腎臓、目の病気などの深刻な合併症が引き起こされることがあり、最悪の場合は失明や足の壊死につながってしまうこともあります。

血糖値を下げる方法には、食事療法、薬物療法、運動療法などがあります。薬物療法は医療機関を受診して医師の判断のもと、治療として薬を服用します。そこまで至る前に、まだまだ食事や運動の改善などできることはたくさんあるのです。

血糖値がある程度高くなっている状態を改善する、または正常な血糖値を維持する場合は、食事療法や運動療法が有効な手段になります。食事療法で血糖値をコントロールするためには、糖質の制限を中心とした適切な栄養バランスの食事を毎日心がける必要があります。特に甘いお菓子やアルコール類を飲食しないようにすることは、並大抵の努力では成し得ないことです。そこで、身体の健康を守るために、食事療法よりも少しの努力で今すぐできることを考えてみましょう。それは運動療法です。

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1日3時間の自宅ストレッチで運動効果

運動療法といってしまうと、苦しい運動を長時間にわたって続けたり、費用のかかる用具を整えたりしなくてはいけないのでは…?と思ってしまうかもしれません。そんなことはなく、ちょっとした運動でも習慣化すれば運動効果が十分に期待できます。激しい運動が苦手なら、ストレッチを自宅で行うことをおすすめします。「ストレッチするだけで運動療法になるの?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんね。実際、ストレッチの運動効果はランニングや自転車などの運動に比べると軽い運動ですが、重要なことは1週間の合計で運動量をしっかりと確保することです。

まずは、自宅でテレビや雑誌を楽しみながらストレッチをしましょう。好きな時間を過ごすときならあまり「運動している」と考えすぎずに実行できます。

たとえば、テレビを2時間見て、その後に音楽を1時間聞きながらストレッチ。趣味の時間にリラックスしてストレッチを取り入れましょう。これを週に3回行うと、厚生労働省が推奨する健康を維持するための運動量を満たすことができるのです。身体がほぐれて、肩こりの改善や安眠につながるという嬉しいプラス効果もあります。

ストレッチを続けていると、だんだん運動に抵抗がなくなってきます。「もう少し強い運動に挑戦できそう」と思ったらチャンス。ジョギングや自転車など、軽く息がはずむ程度の有酸素運動を追加すれば血糖値を改善させる効果がさらに期待できます。運動習慣をつけるきっかけにしやすい点も、ストレッチのよいところですね。

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<参考文献>
■糖尿病ネットワーク
『糖尿病を学ぶ お役立ちコンテンツ』

■厚生労働省 e-ヘルスネット
『糖尿病』

■厚生労働省
『健康づくりのための身体活動基準2013』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に3回以上、ストレッチを行っていない人は血糖値が基準値を超えやすくなるリスクが3.7倍になります。

A: 週に3回以上、ストレッチを行っていますか?
B: 血糖値は基準値を超えていますか?

A
はい いいえ
28.5%
170人
71.5%
427人
B
はい いいえ はい いいえ
0.84%
5人
27.64%
165人
7.2%
43人
64.32%
384人
Z検定値 2.89
オッズ比 3.7
信頼度 99.6%
集計数:597人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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