下痢しやすいお腹を助けてくれるニンジン
リスク
1.99倍

下痢しやすいお腹を助けてくれるニンジン

週に1回以上、ニンジンを食べていない人は、週に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが1.99倍になります。

解説

料理も栄養も万能なニンジン!しっかり献立に取り入れよう

ニンジンというと、カレーや煮物、きんぴら、サラダ、お菓子にジュースと、定番料理からアレンジ料理まで、幅広く使われる野菜ですね。

ニンジンは、ほうれん草、かぼちゃ、小松菜などの色の濃い野菜である緑黄色野菜の1つです。緑黄色野菜にはβカロテンが豊富に多く含まれていて、βカロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは皮膚や喉などの粘膜を守り、免疫力を高めて風邪などの感染症を予防してくれます。風邪からくる胃腸炎など、下痢の予防にもつながりますね。

それだけでなく、ニンジンには便通を改善する食物繊維、免疫力アップのビタミンC、疲労回復効果があるビタミンB群、高血圧を予防するカリウムなどさまざまな栄養素がたっぷり含まれています。中でもニンジンに含まれる食物繊維は、便通を改善させ、下痢を繰り返さないようにする効果が期待できます。

ニンジンの食物繊維が下痢の予防に役立つとはどういうことなのでしょうか?これは、ニンジンを煮たときの食感と関係があります。

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下痢対策には、水溶性の食物繊維を取ろう

ニンジンに火を通すと、柔らかくトロッとした食感になります。飲み込みやすく、つぶして離乳食にも使えるほどです。このとろみの元になるのは、ニンジンにたくさん含まれている水に溶けやすい食物繊維(水溶性食物繊維)です。

水溶性食物繊維は、ニンジンのほかにほうれん草や大根など繊維の柔らかい野菜、キウイフルーツ、いちご、みかんなどの果物、じゃがいもなどに多く含まれています。腸内環境を整え、コレステロールや血糖値の上昇を抑える効果があるといわれています。

下痢の予防には、水溶性食物繊維が非常に有効です。粘着性のある水溶性食物繊維が、腸内にある余分な水分を吸収してくれるため、便が水っぽくならないように調整して下痢を改善してくれるのです。

ニンジンは、1年を通して手に入りやすく、使いやすい野菜なので、ぜひ献立に取り入れてみましょう。お腹の調子が悪いときには、柔らかく煮たうどんに、繊維が柔らかいニンジンやほうれん草、消化が良いとされる半熟卵などをトッピングして食べるのもおすすめメニューです。長引く下痢でお悩みの方は、まずはニンジンなどの水溶性食物繊維を普段の食事に取り入れてみましょう。

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<参考文献>
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

■国立がん研究センター東病院栄養管理室
『下痢・便秘がある方のお食事』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、ニンジンを食べていない人は、週に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが1.99倍になります。

A: 週に1回以上、ニンジンを食べていますか?
B: 週に1回以上、下痢になりますか?

A
はい いいえ
73.2%
437人
26.8%
160人
B
はい いいえ はい いいえ
10.22%
61人
62.98%
376人
6.53%
39人
20.27%
121人
Z検定値 3.02
オッズ比 1.99
信頼度 99.7%
集計数:597人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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