日本のお風呂文化で免疫力アップ
リスク
4.69倍

日本のお風呂文化で免疫力アップ

週に1回以上、湯船につかっていない人は、ウイルス性の腸炎になりやすくなるリスクが4.69倍になります。

解説

日本人の大好きなお風呂の効果

お風呂の時間は、1日の汚れを温水のシャワーで洗い流したり、日々の疲れを癒すために湯船につかってリラックスしたりと、1日のなかでも大切な時間ですね。入浴できる場所は、自宅のお風呂だけではありません。たとえば、現在では少なくなりつつありますが、銭湯は老若男女が世代を超えてコミュニケーションをもつ、憩いの場所です。また、温泉は旅行の楽しみとして今でも大人気ですね。

このように、入浴とは日本文化の1つであるといえるでしょう。短時間のシャワー浴で済ませる人も少なくないですが、身体を清潔に保ちつつ健康を維持する入浴方法といえば、やはり湯船につかることが一番です。

湯船につかることで得られる健康効果は大きく3つあります。まず1つめは、身体を温めること。湯船にゆっくりつかることで、身体が芯まで温まり、全身の血行が良くなります。身体の冷えやすい冬の時期だけでなく、夏の暑い時期でも、冷房や冷たい物の食べ過ぎによって意外に身体が冷えていることがあります。1年中、どの季節でも、湯船につかって身体を温めることが大切というわけですね。

2つめは、身体に水圧がかかること。湯船につかることで全身に外側から適度な水圧が加わり、お腹やふくらはぎなどの柔らかい部位が少し押されて、筋肉や腸の血行が良くなったり、肺の機能が改善したりするという効果が期待できます。

3つめは、身体に浮力が働くこと。地球上では、常に身体に重力が働いていますが、湯船につかっているときは浮力によって筋肉や関節にかかる負担が和らぎます。また、筋肉が緩んで筋肉の血行が改善され、全身の血液循環が良くなります。さらに、全身がふわふわと浮かぶ感覚はリラックス効果として脳に心地良い刺激となり、自律神経の働きが整うという効果もあるのです。

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血行改善と免疫力アップ

さて、入浴の3つの効果はどれも血行が良くなることと関係があります。血行が良くなると、外から体内に侵入したウイルスをやっつける免疫細胞が、毛細血管を通って全身に素早く行き渡ることができます。それだけなく、血液内にできるだけ多くの免疫細胞が存在するためには、心身ともに健康な状態を保つことが重要です。

こうした血行の改善が免疫力アップに働き、ウイルス性腸炎といった感染症に強い身体へと整えてくれるというわけです。

疲れやすい日々の生活の終わりに、湯船にゆっくりとつかって心身のメンテナンスを行いましょう。忙しいから、とついシャワー浴を選んでしまっている人は、5分だけでも良いので、心地よさを感じる温度でリラックスする入浴時間を意識して、生活リズムに組み込んでみましょう。

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<参考文献>
■千住秀明監修、沖田実編集 神陵文庫
『理学療法学テキスト IX 物理療法』

■バスクリン
『【いたわりセルフケア】免疫力アップ』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、湯船につかっていない人は、ウイルス性の腸炎になりやすくなるリスクが4.69倍になります。

A: 週に1回以上、湯船につかりますか?
B: ウイルス性の腸炎になりやすいですか?

A
はい いいえ
66.0%
204人
34.0%
105人
B
はい いいえ はい いいえ
2.27%
7人
63.75%
197人
4.85%
15人
29.13%
90人
Z検定値 3.51
オッズ比 4.69
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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