休日の過ごし方で下痢を改善
リスク
2.35倍

休日の過ごし方で下痢を改善

休憩や休日をしっかり取ってストレスを解消していない人は、週に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが2.35倍になります。

解説

下痢になる原因

下痢は、急性的な症状と慢性的な症状の2つに分けることができます。急性的な下痢と聞いて、まず思い浮かべるのは、飲み過ぎ食べ過ぎからくる消化不良による下痢でしょう。消化不良による下痢の場合は、比較的すぐ回復するような、一過性のものがほとんどです。急性的な下痢の中でも、食中毒やウイルス性腸炎などによる下痢では、発熱や脱水などを伴って症状が重くなることがあります。この場合の下痢の症状は、回復までに数時間から数日かかることがあります。

一方、下痢の症状が長い期間にわたって出ている場合、慢性的な下痢といえるでしょう。慢性的な下痢の代表例として有名なのが、“過敏性腸症候群”。また、大腸の病気によって消化機能が低下し、数週間から数年にわたって長く下痢を繰り返す場合もあります。

検査して下痢の原因がはっきりと分かる場合は、服薬や手術などの治療を受けることで症状の改善が期待できます。ですが、検査結果では特に異常が見つからないにもかかわらず、通勤や通学、人前に立つときなど日常生活の中で下痢が生じる場合は、治療とともに社会生活を見直すことが必要になる場合があります。

過敏性腸症候群は、社会的要因が大きく関わるタイプの下痢です。診療のプロセスの中で、重要な治療方法の1つとして、日常生活のストレスを減らすためにストレスマネージメントやリラクゼーションなどの心理療法を行うことも大切なのです。

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休日の過ごし方

心理学の専門家によるカウンセリングや心理療法といった方法を受けると、日常生活におけるストレスの減少に大きな効果が期待できます。ですが、心理学の専門家に診てもらうには費用や時間がかかってしまいますね。誰でもかんたんにできるわけではありません。仕事や家庭で忙しい場合には、カウンセリングのためにスケジュールを合わせることがさらにストレスになってしまう、ということもあるのです。

そこで、日々の生活が忙しい人は自分で「ゆとり」の時間を作ってみましょう。これも十分にストレスを減らす効果が期待できます。ストレスマネージメントやリラクゼーションとして、何もせずに頭をからっぽにした状態で自然を楽しむことや、好きなコーヒーを飲みながら、仕事とは全く違う分野の本を読むこと、好きなことを楽しむなどが有効です。

多大な費用や時間をかけなくても、自分自身でできる心理療法は必ずあります。休憩や休日をしっかりと取ることはもちろんですが、単純にごろごろ寝て過ごすだけ、あるいは、好きな趣味であっても過剰に打ち込む、といった極端な過ごし方をすると、かえって負担になることもあります。いつもよりゆっくり眠った上で、散歩して身体を動かす、趣味の時間は適度にして入浴に時間をかける、など、身体を休める時間と活動する時間をバランスよく配分することが重要です。

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<参考文献>
■日本臨床内科医会
『下痢の正しい対処方法』

■日本消化器病学会
『機能性消化管疾患診療ガイドライン2014−過敏性腸症候群(IBS)』

■シオノギ製薬、日本イーライリリー
『うつ病 こころとからだ』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

休憩や休日をしっかり取ってストレスを解消していない人は、週に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが2.35倍になります。

A: 休憩や休日をしっかり取ってストレスを解消していますか?
B: 週に1回以上、下痢になりますか?

A
はい いいえ
66.9%
220人
33.1%
109人
B
はい いいえ はい いいえ
8.21%
27人
58.66%
193人
8.21%
27人
24.92%
82人
Z検定値 2.88
オッズ比 2.35
信頼度 99.6%
集計数:329人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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