豚肉を上手に食べて口唇ヘルペスを抑えよう
リスク
6.35倍

豚肉を上手に食べて口唇ヘルペスを抑えよう

月に1回以上、豚肉を食べていない人は、口唇ヘルペスができやすくなるリスクが6.35倍になります。

解説

口唇ヘルペスの活動には必須アミノ酸が関係している

風邪をひいてしまったり、睡眠不足だったりして体が弱ると、口の周りに出てくるヘルペス。ただでさえ体調が悪いのに、さらに唇が痛くなって食事もしにくくなる口唇ヘルペスは、とてもやっかいなものですね。

口唇ヘルペスは“HSV-1”というウイルスによって発症します。このウイルスの主な感染経路は、接触感染や飛まつ感染です。つまり、ウイルスを保有している人に接触したり、近い距離で会話したりすることで感染するということです。口唇ヘルペスを引き起こすHSV-1を保有しているのは、成人の約半数ともいわれており、決して他人事ではないのです。

口唇ヘルペスを引き起こすウイルスは、体調が悪くなると、唇の周りにピリピリする水疱(水ぶくれ)を作ります。これだけで終わりではなく、ウイルスが完全に体から出ていかなければ、免疫力が低下するたびに、水ぶくれが繰り返しできることもあります。さらに、その水ぶくれが破れると、食べ物や飲み物がしみるなどの症状もあらわれます。

そんな口唇ヘルペスですが、豚肉を食べることで発症を抑えられる可能性があります。それはいったいなぜでしょうか?

口唇ヘルペスには、体内で作ることのできない必須アミノ酸という栄養素の1種、“アルギニン”が関係しています。生きていくために欠かせない栄養素ですから、人は食べ物から摂取しなければなりません。

アルギニンには疲労回復の効果があり、エナジードリンクにもよく使われているので、聞いたことがある栄養素かもしれませんね。ところが、アルギニンには口唇ヘルペスの原因であるウイルスも活発にする効果があるのです。風邪かな?と思ってエナジードリンクを飲んだりすると、ウイルスも活発になってしまい、口唇ヘルペスの症状が出やすくなってしまうおそれがあります。

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豚肉を食べるときのポイント

一方で、必須アミノ酸の1つ“リジン”は、ヘルペスを起こすウイルスの活動を抑制する作用があります。ですから、口唇ヘルペスの発症を抑えるには、アルギニンの摂取を控えて、リジンを積極的にとるのが良いのです。

とはいえ、アルギニンは肉や魚、豆類といった毎日のように食べるさまざま食材に含まれているため、摂取を減らすのは難しくなります。ですから、リジンを積極的にとることを心がけましょう。

そこで、豚肉の出番です。豚肉はリジンをたくさん含んだ食材です。肉類なのでアルギニンも含まれていますが、豚肉のアルギニンは皮に多く含まれているので避けやすいといえるでしょう。皮付きの豚ばら肉を煮た「トンポーロー」や、耳の皮を食べる「ミミガー」などの料理は避けると効果的です。

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<参考文献>
■日本皮膚科学会
『ヘルペスと帯状疱疹 Q5どのように感染するのでしょうか?』

■Chemotherapy
『Relation of arginine-lysine antagonism to herpes simplex growth in tissue culture.』

■International Journal of Molecular Medicine
『Antiviral effect of arginine against herpes simplex virus type 1.』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、豚肉を食べていない人は、口唇ヘルペスができやすくなるリスクが6.35倍になります。

A: 月に1回以上、豚肉を食べていますか?
B: 人よりも口唇ヘルペスができやすいですか?

A
はい いいえ
92.9%
287人
7.1%
22人
B
はい いいえ はい いいえ
5.18%
16人
87.7%
271人
1.94%
6人
5.18%
16人
Z検定値 3.81
オッズ比 6.35
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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