ノロウイルスを寄せ付けない卵パワー
リスク
6.27倍

ノロウイルスを寄せ付けない卵パワー

月に1回以上、卵を食べていない人は、ノロウイルスにかかると長引きやすくなるリスクが6.27倍になります。

解説

感染力が強いノロウイルス。まずは手洗いをしっかりと

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、一年を通して発生しますが、特に冬場に多く見られる病気です。嘔吐や腹痛、下痢などの症状があり、潜伏期間はおおよそ24〜48時間といわれています。

激しい症状を引き起こすノロウイルスですが、その感染経路はいくつかあります。有名なのは、カキなどの二枚貝を、生もしくは十分な加熱をせずに食べてしまったことによる感染でしょう。また、ノロウイルスに感染している人が触ったものに触れることによる接触感染や、ノロウイルスに感染している人の吐しゃ物が飛び散ることによって、空気中に漂うことになったノロウイルスを吸い込んでしまうという飛沫感染もあります。

ノロウイルスは、感染力が非常に強く、わずかな接触で容易に感染してしまうので、たくさん人が集まる場所や人が行き来するようなところでは、特に注意が必要です。

ノロウイルスは経口感染が多いので、まずはしっかり手洗いをするようにしましょう。そして、外出時はなるべくマスクを着用するようにし、ウイルス感染のリスクを減らすようにしましょう。また、自分がノロウイルスにかかった場合には、症状がおさまったとしても、最低でも1週間は菌を保持しています。こんなときこそマスクを使い、人にうつさないように注意しましょう。

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卵に含まれる、感染症予防の栄養素とは?

手洗いなどで気を付けているとはいえ、ウイルスは目に見えないもの。ノロウイルスに接触したとしても、感染症に強い身体を作っておきたいですね。食品の中では、卵には抗ウイルス作用を持つ成分が含まれることをご存じでしょうか。

卵に含まれる成分は、体内に侵入した病原体の攻撃を防ぐ作用がありますので、ノロウイルスだけではなく、風邪、インフルエンザなどの感染症にも期待できる栄養素です。

卵は病原体と戦う成分をとれるだけでなく、人の体内で合成することができない必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。免疫力を高めて風邪などの感染症を予防する効果があるという点からも、卵を献立にとり入れてみると良いでしょう。

もし、感染症にかかってしまったとしても、回復期の食事にも卵はおすすめです。ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎にかかると胃腸はとても弱ってしまいますね。水分をしっかりとって胃腸に負担をかけずに食べられるものといえば、定番の卵粥があります。

胃腸が回復してきたら、柔らかいうどん、おじや、野菜スープ、湯豆腐など、お腹に優しい食事から食べるようにしましょう。卵は、半熟が一番消化が良いといわれていますから、こうしたメニューに卵をプラスすることで、体力をとり戻すことができます。胃腸炎で弱った時期に無理をして、別の感染症にかかってしまう…というトラブルの予防にもなります。卵は、ノロウイルスにかからないように、そして万が一かかってしまった後にも身体を助けてくれるのです。

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<参考文献>
■国立感染症研究所 感染症情報センター
『ノロウイルス感染症とその対応・予防(医療従事者・施設スタッフ用)』

■化学と生物
『鶏卵の化学とその応用』

■日本学術会議 食料科学委員会畜産学分科会
『畜産物のはたす役割(食肉、乳、卵、蜂蜜)』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、卵を食べていない人は、ノロウイルスにかかると長引きやすくなるリスクが6.27倍になります。

A: 月に1回以上、卵を食べていますか?
B: ノロウイルスにかかると長引きますか?

A
はい いいえ
96.1%
297人
3.9%
12人
B
はい いいえ はい いいえ
4.85%
15人
91.26%
282人
0.97%
3人
2.91%
9人
Z検定値 2.89
オッズ比 6.27
信頼度 99.6%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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