赤いりんごの皮が目を疲れから守る
リスク
2.19倍

赤いりんごの皮が目を疲れから守る

りんごを皮ごと食べていない人は、目が疲れやすくなるリスクが2.19倍になります。

解説

丸ごと食べよう、りんごの栄養は皮にもあり!

仕事でもプライベートでも、パソコンやスマートフォン、タブレットの画面を見る機会は多くなってきていると思います。なかには、1日中目をこらして画面を見ていて目が疲れてしまい、「小さな文字を見るのもいや」なんていう人もいるかもしれません。こうした目の疲れには、目の体操やマッサージだけでなく、美味しいフルーツも効果が期待できるのです。

りんごは、果肉だけでなく、むいてしまって食べないことが多い皮にも、身体を健康に保つために必要な栄養素が豊富に詰まっています。そのなかでも、”ポリフェノール”という物質は、“活性酸素”という細胞を傷つける物質を取り除く働きをしてくれます。りんごのポリフェノールは3種類あり、りんごのきれいな赤い皮の色の元になっています。

ポリフェノールのなかでも、“アントシアニン”は視力を維持したり、目の疲れを予防したりする効果があります。アントシアニンは、もともと、植物が紫外線から身を守るために作り出した物質です。アントシアニンの貯蔵量は、植物が太陽の光を浴びるほど多くなるという特徴があります。

アントシアニンは、目の周囲の血管を広げ、血行をよくすることで目の疲れ(眼精疲労)を和らげるのではないかと考えられています。また、目で見た情報を脳に伝える役割を持つたんぱく質を分解し、再合成する働きにも関わっています。疲れ目は、このたんぱく質の再合成が遅れることでも起こるため、アントシアニンが疲れ目を助けてくれると考えられるのです。

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りんごには、健康維持のための栄養がたっぷり

ことわざで「一日一個のりんごは、医者知らず」ともいわれるほど、りんごには身体によい栄養素がぎゅっと詰まっています。ポリフェノール以外では、どんな栄養素が含まれているのでしょうか。

りんごには、利尿作用が高いカリウムが多く含まれています。カリウムには、塩分を排出し、むくみを予防する働きがあります。カリウムは、野菜や果物に多く含まれますので、高血圧ぎみの人は野菜サラダにりんごをトッピングして食べるのもおすすめです。

また、りんごには水に溶ける食物繊維のペクチンが多く含まれています。食物繊維はコレステロールを低下させ、動脈硬化などの心臓病のリスクを減らすことができます。また、便秘や下痢などを改善する整腸作用があり、腸内環境を整えて腸内にある善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことができるのです。代謝もよくなるとダイエットにも効果的ですね。

また、食物繊維には、血糖値が急に上がらないようにする働きがあるので、血糖値が心配な人にも、りんごはおすすめ。果物にも糖分は含まれていますから、1日200g程度をめやすに取りすぎないように注意しましょう。

りんごは美味しく身体を助けてくれるフルーツですが、目の疲れで困っているならりんごの赤い皮も食べるようにしましょう。りんごの皮を紅茶に入れて、香り高いアップルティーにするのもよいですね。サラダのトッピングや砂糖を使わないコンポート、ジャムなどたくさん活用できますので、ぜひお試しくださいね。

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<参考文献>
■Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition
『Anthocyanins and anthocyanin-rich extracts:role in diabetes and eye function.』

■全国農業協同組合連合会 青森県本部
『りんごに関する質問』

■飯綱町
『りんごの歴史』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

りんごを皮ごと食べていない人は、目が疲れやすくなるリスクが2.19倍になります。

A: りんごは皮ごと食べていますか?
B: 目が疲れやすいですか?

A
はい いいえ
28.5%
88人
71.5%
221人
B
はい いいえ はい いいえ
13.27%
41人
15.21%
47人
46.93%
145人
24.6%
76人
Z検定値 3.08
オッズ比 2.19
信頼度 99.7%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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