インスタント食品でウエストが太くなる
リスク
2.09倍

インスタント食品でウエストが太くなる

インスタント食品をよく食べている人は、内臓脂肪が多くなるリスクが2.09倍になります。

解説

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「インスタント食品が身体に悪い」というと、「あーハイハイ、いつものお説教ね」そんな感想が返ってきそうです。「野菜が少なくて高カロリーなんでしょ」。

はい。だいたい合ってます。

とはいっても、インスタント食品の問題は野菜とカロリーだけではありません。実は、タンパク質が足りないこともインスタント食品の大きな問題なのです。

タンパク質が足りない、ちょっと意外だなと思いませんか?カップめんやレトルトの丼のもとなどのインスタント食品は、しっかり味がついていて、肉や魚が足りないとか物足りない感じはしないですよね。その理由は、原材料のところを読んでみるとわかります。「ポークエキス」「チキンエキス」「アミノ酸調味料」などなど。

つまり、インスタント食品の味が濃く、おいしい理由は、肉や骨などからとったエキスなのです。ちゃんと肉や魚を食べたときには、筋肉などを作るもととなるタンパク質をしっかり取ることができます。それに比べて、インスタント食品の場合、味は感じますが、肝心のタンパク質は豆つぶくらいの肉やうずらの卵1個、脂身たっぷりの豚バラのチャーシュー1枚だけだったりするのです。

すると、インスタント食品で済ませた食事はごはんや麺などの炭水化物に栄養がかたよりがち。炭水化物は身体を動かすためのエネルギーになるものですから、基本的にはちゃんと取らなくてはなりません。でも、エネルギー消費が少ないと(運動不足だと)すぐに余って脂肪になり、お腹まわりについてしまうのです。

お腹についた脂肪の中でも、内臓のまわりにつく“内臓脂肪”は糖尿病や動脈硬化、ひいては心臓病や脳卒中につながる危険なタイプの脂肪です。男性のほうが内臓脂肪はつきやすいといわれていますが、女性の場合も中年以降、特に閉経後には内臓脂肪が増えやすくなります。若いころに食べる量を減らして痩せていたとしても、タンパク質をしっかり取って筋肉を作り、運動する生活の基礎ができていないと、エネルギーを消費する筋肉が足りないので中年以降に肥満になりやすいんです。

というわけで、「カロリーの少ない、ライトタイプを選んでいるから」「野菜ジュースを足しているから」という対策では、タンパク質が少ないというインスタント食品の問題を回避するのはちょっと厳しい、というわけです。

忙しくて、自炊は難しい人も多いかもしれません。でも、次にコンビニに寄ったときに棚を見回してみましょう。皮を取った鶏むね肉や豆腐、無糖ヨーグルトなど、手軽に食べられてタンパク質がしっかり取れる食品はけっこうあります。中年以降のお腹まわりのために、インスタント食品をカゴから棚に戻しましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『内臓脂肪型肥満』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

インスタント食品をよく食べている人は、内臓脂肪が多くなるリスクが2.09倍になります。

A: インスタント食品をあまり食べないようにしていますか?
B: 内臓脂肪は多いですか?

A
はい いいえ
49.2%
152人
50.8%
157人
B
はい いいえ はい いいえ
11.0%
34人
38.19%
118人
19.09%
59人
31.72%
98人
Z検定値 2.91
オッズ比 2.09
信頼度 99.6%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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