解説
みかんの白い筋、捨てていませんか?
みかんといえば「こたつでみかん」というイメージがありますね。温州みかんの旬が11月から1月ごろということもあり、こたつで温まりながら皮をむくだけで食べられるみかんは、冬の日常生活の風景にすんなりと溶け込んでいます。
手軽に食べられるとはいっても、みかんを食べるときに、みかんの房についている白い筋をていねいに取り除いて食べている人も多いのではないでしょうか?実はこの白い筋に、意外にも栄養が豊富に含まれているのです。この部分を取り除いて食べると、せっかくの身体に良い栄養素を捨ててしまうことになります。
みかんをはじめとする柑橘類の皮や筋、袋には、“ヘスペリジン”とよばれる抗酸化作用が強いポリフェノールの一種が多く含まれています。このヘスペリジンは、ビタミンCとともに、毛細血管を強くしたり血流を改善したりする効果があります。血流の改善効果があるということは、特に冬に悩まされやすい冷え性にも良い栄養成分です。ですから、みかんをよく洗って、皮ごとお風呂に入れるのもおすすめです。

腸内環境を良くしてくれるペクチンとは?
ヘスペリジンのほかにも、白い筋には栄養素が豊富に含まれています。そのひとつが、水に溶けやすい食物繊維の一種である“ペクチン”。ペクチンなどの水溶性食物繊維は、便を柔らかくする働きをしてくれます。便の水分量を調整することで、下痢や便秘を改善し、腸内環境を良くする効果があるのです。
みかんの白い筋の量は少しですが、手軽に食べられるみかんは冬の便秘予防の味方です。食べる量は1日に2個程度を目安にしてください。また、みかんの白い部分をとらずに作ったジャム(皮ごと入れたみかんジャム)もおすすめ。ヨーグルトなどに入れて食べると、ヨーグルトとみかんのダブルの効果で便秘解消が期待できます。
また、みかんの皮は、抗酸化作用が強いβ-カロテンと同じ仲間の栄養素を含んでいるので、免疫力をアップしてガンや骨粗鬆症を予防するという効果も期待されています。便秘でお悩みの人も、そうでない人も、健康維持のためにみかんを意識してとるようにしましょう。

<参考文献>
■三ヶ日町農業協同組合
『ミカンと健康』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
みかんの白い筋を剥いて食べている人は、月に1回以上、便秘になりやすくなるリスクが1.67倍になります。
A: みかんは白い筋を剥かずに食べていますか?
B: 月に1回以上、便秘になりますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
65.2%
389人 |
34.8%
208人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
25.63%
153人 |
39.53%
236人 |
18.09%
108人 |
16.75%
100人 |
Z検定値 | 2.96 |
---|---|
オッズ比 | 1.67 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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