解説

冬場の12〜1月が流行のピークになる、ノロウイルスによる感染性胃腸炎。ノロウイルスが引き起こす感染性胃腸炎は、乳幼児や高齢者など体力の弱い人では重症化することもあるので、特に注意すべき感染症です。
ノロウイルスに感染した人の下痢や嘔吐などの後始末をした後に、消毒が不十分だとウイルスが残っていることがあります。また、感染した人の症状が回復した後にも、数日はウイルスの排出が続くことがあります。たとえば、介護施設での集団感染の後にエレベーターのボタンからウイルスが検出されたという報告があります。つまり、大勢の人が使うエレベーターやエスカレーターの手すりなどにウイルスが付着している可能性があるというわけですね。
流行の時期には、エレベーターのボタンやエスカレーターの手すりへの接触を避けるとよいでしょう。エレベーターやエスカレーターを使わず、かわりに階段を使えば運動量が増えて免疫力もアップし一石二鳥ですね。これと合わせて、手を石けんで洗う、食品を十分に加熱調理するといった予防を行い、ノロウイルスに感染しないようにしましょう。

<参考文献>
■厚生労働省
『ノロウイルスに関するQ&A』
■Infection Control and Hospital Epidemiology
『A norovirus outbreak at a long-term-care facility:the role of environmental surface contamination.』
■ミシガン州公衆衛生局
『Guidelines For Environmental Cleaning And Disinfection of Norovirus』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
エレベーターやエスカレーターをよく使っている人は、年に1回以上、ウイルス性の腸炎になりやすくなるリスクが5.87倍になります。
A: エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていますか?
B: 年に1回以上、ウイルス性の腸炎になりますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
31.7%
98人 |
68.3%
211人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
0.65%
2人 |
31.07%
96人 |
7.44%
23人 |
60.84%
188人 |
Z検定値 | 2.66 |
---|---|
オッズ比 | 5.87 |
信頼度 | 99.2% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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