解説
はちみつは健康維持に役立つ栄養満点食品
はちみつの歴史は古く、初めて文献上にその名が記されたのが日本書紀であり、飛鳥時代だといいます。献上の品として扱われていて、当時にはすでに貴重な物であったことがうかがえます。今でも、はちみつは健康に良いというイメージがあると思いますが、はちみつのどんな栄養素が身体に良いのでしょうか?
はちみつには、抗酸化・抗ストレス作用がありコラーゲンの生成を助けて美肌を作るビタミンC、糖質の代謝や疲れ予防のビタミンB1、脂質の代謝に役立つビタミンB2、高血圧予防のカリウム、たんぱく質の素であるアミノ酸、抗酸化作用の強いポリフェノールなど、健康維持にも美容にも優れた栄養素がたっぷり含まれています。
また、はちみつのカロリーは砂糖の4分の3程度。甘さを感じやすいので、砂糖よりも少ない量で満足できるのもはちみつのメリットです。

はちみつに含まれるオリゴ糖に注目!
健康にも美容にもよく、カロリー控えめなのに甘みが強いはちみつ。はちみつには、もちろん糖質も含まれているのですが、はちみつの糖質にはオリゴ糖が含まれているという報告があるのです。
オリゴ糖は腸内環境を整え、便秘を改善してくれる効果があります。腸は免疫にかかわる細胞が多く存在する器官です。腸内環境が悪いと身体の調子を崩したり、風邪をひきやくなったり不調が表れやすくなってしまいます。また、便秘のままではお腹が張ったり、肌荒れがひどくなるなど、美容にも影響がありますね。これらの不調を解消するためにも、はちみつで腸をすっきりさせましょう。
それだけでなく、オリゴ糖はコレステロール値を整えて中性脂肪を低下させることで、動脈硬化を予防してくれます。そこで、はちみつを食事にプラスしてみるのはいかがでしょうか。はちみつを使う量の目安は、1日あたり大さじ1杯~2杯程度。とりすぎないように注意しましょう。
また、ストレスがたまって寝付きが悪い方には、はちみつで甘みをプラスしたヨーグルトがおすすめです。ストレスを緩和させてくれるセロトニンという物質は、乳製品に含まれるアミノ酸の“トリプトファン”から作られます。そして、はちみつはこのトリプトファンの吸収を良くしてくれるのです。はちみつ入りのヨーグルトで、心をリラックスさせて良質な睡眠をとり、心と身体の健康を手に入れましょう。
ところで、1歳未満の乳児は腸内環境が未熟な状態のため、はちみつに含まれるボツリヌス菌が体内で増えて“乳児ボツリヌス症”という重い症状になる危険があります。はちみつは健康不安を解消してくれる食品ですが、赤ちゃんには1歳をすぎてから与えるように注意しましょう。

<参考文献>
■化学と生物
『蜂蜜中に含まれるオリゴ糖酸「マルトビオン酸」糖質と酸との融合により生まれた新素材』
■厚生労働省
『ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、はちみつを食べていない人は、人よりも健康状態に不安がおきやすくなるリスクが1.48倍になります。
A: 週に1回以上、はちみつを食べていますか?
B: 人よりも健康状態に不安はありますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
20.3%
272人 |
79.7%
1065人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
8.0%
107人 |
12.34%
165人 |
39.04%
522人 |
40.61%
543人 |
Z検定値 | 2.85 |
---|---|
オッズ比 | 1.48 |
信頼度 | 99.5% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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