解説

風邪予防に効くとされるビタミンC。ですが、サプリメントで大量に取っても、効果が高まるわけではありません。
ビタミンCは水に溶けやすい栄養素ですので、排泄されやすく、一度に大量にとっても身体にたくわえておくことはできないんです。
毎日ビタミンCをしっかり取るには、新鮮な生野菜サラダがオススメです。ピーマン、リーフレタス、サニーレタス、ちぎりキャベツなどの野菜に、レモン果汁をしぼったドレッシングで食べると、おいしく効率よく風邪を予防することができます。

ビタミンCをたくさん取れば風邪予防に?
風邪といえば、ビタミンC!そう信じている人は多いのではないでしょうか。薬局でも、サプリメントをよく見かけますよね。元気な黄色のパッケージは、いかにも効きそうです。
身体に悪いものじゃないし、たくさん取れば取るほど、風邪予防に効果があるのかも…そんなふうに考えていませんか。
実はそれは大きな間違い。ビタミンCは上手に取らないと、ほとんど意味がないものになってしまうのです。
ビタミンCは、身体に大切なたんぱく質のひとつ、コラーゲンを作るときに欠かせないビタミンです。コラーゲンは、皮膚や血管を丈夫に保つ、免疫を強化するといった働きがあります。この生成を助けるので、たしかにビタミンCは風邪の予防に一役買っているといえます。
ところがビタミンCの特徴は、水に溶けやすいということ。つまり、サプリメントで大量に取っても、排泄されやすく、身体に蓄えておくことはできないのです。
ビタミンCの成人の推奨量は、日本人は一日あたり100mgとされています。アメリカではかつて、推奨量の100倍以上をサプリメントで取れば、風邪をはじめさまざまな病気に効くとの説が発表されました。ところが研究の結果、大量のビタミンCは、健康のために特別な効果はないことがわかっています。

ビタミンCをしっかりとれる野菜はコレだ!
水に溶けやすいビタミンC、どうしたら効率よく毎日取ることができるのでしょうか。
実はビタミンCは、水だけでなく、熱でも壊れやすい栄養素です。食材を切って水にさらす、ゆでるといった調理の過程で、どんどん失われてしまいます。
つまり、食材を生の状態で食べるのがいいということ!これにぴったりなのが、サラダです。新鮮な生野菜には、ビタミンCがたくさん含まれています。
まずはサラダの定番、レタス。よく見かける玉レタスよりも、葉が柔らかいリーフレタスやサニーレタスのほうがビタミンCが豊富です。
さらにビタミンCがたっぷり取れるものといえば、ピーマンです。青いピーマンを刻んで食べれば、なんと1個分で1日に必要なビタミンC量の約5分の1が取れますよ。
そのほか、キャベツは4分の1玉程度で、推奨量の8割を取れる優秀野菜。ただし、千切りにして水にさらしてしまうとビタミンCは失われてしまうため、ちぎりキャベツなどの食べ方がオススメです。
そして、ビタミンCの王者といえば、レモンです。果汁をしぼってお酢の代わりにドレッシングに使うと、サラダがおいしくなるだけでなく、効果を高めることができそうです。
サプリメントに頼るより、新鮮な生野菜サラダを毎日食べて、風邪を予防しましょう!

<参考文献>
■井上正子監修 西東社
『新しい栄養学と食のきほん事典』
■香川芳子著、 監修 女子栄養大学出版部
『食品成分表2015』
■ポール・オフィット著、ナカイサヤカ翻訳 地人書館
『代替医療の光と闇 ― 魔法を信じるかい?』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に3回以上、生野菜のサラダを食べていない人は、半年に1回以上、風邪を引くリスクが2.07倍となります。
A: 週に3回以上、生野菜のサラダを食べていますか?
B: 半年に1回以上、風邪をひきますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
59.4%
171人 |
40.6%
117人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
17.36%
50人 |
42.01%
121人 |
18.75%
54人 |
21.88%
63人 |
Z検定値 | 2.94 |
---|---|
オッズ比 | 2.07 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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