階段を使って免疫力を鍛える!
リスク
2.36倍

階段を使って免疫力を鍛える!

エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていない人は、年に1回以上、38度以上の高熱を出しやすくなるリスクが2.36倍になります。

解説

階段生活で病気の予防

近年、内臓系の生活習慣病である“メタボリックシンドローム”や、筋・骨・関節に関わる生活習慣病の“ロコモティブシンドローム”などを予防するため、エレベーターやエスカレーターを使わない生活習慣が推奨されています。

健康に活き活きと過ごすためにも、仕事や勉強でパフォーマンスを上げるためにも、自分で病気を予防する行動にしっかりと取り組みたいものです。市役所や保健所などの健康を管理する公共施設に行くと、エレベーターの前に「健康増進の案内」が掲示されている場合もありますね。従業員の健康のために、自分で病気を予防する取り組みを行うように呼びかけている企業もあります。

エレベーターやエスカレーターは、たとえばビルの1階から6階に移動する、といった場合を考えると、人間はただ数秒から数分間立っているだけ。ほとんどエネルギーを消費しません。

一方で、階段を使用すると、「運動強度×所要時間」のエネルギーを消費することになります。このエネルギー消費量は、エレベーターやエスカレーターの場合と比べると約4〜5倍もの量。同じ階数を上る場合でも、階段のほうが圧倒的にエネルギーを多く消費することができるのです。階段による運動の効果を安全に最大限引き出すためには、「大きな呼吸をしながら動く」「膝や腰がしっかりと伸びる瞬間をつくる(腰は反らない)」「少しゆっくりと移動する」の3つを心がけましょう。

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免疫力アップの運動に適した階段トレーニング

さて、38℃以上の高熱が出る原因で多いものは風邪などの感染症です。感染症の原因となる細菌やウイルスは、家の中や学校、職場などどこにでも存在し、誰がいつ感染症を発症しても不思議ではありません。風邪やインフルエンザといえば冬、というイメージもありますが、「夏風邪」という言葉もあるように、暖かい季節にも鼻やのどの風邪の原因になるウイルスが流行することもあります。

ウイルスはどこにでも、いつでも存在するはずですが、同じように生活していても感染する人としない人がいます。これは、体内に侵入した細菌やウイルスに対して、身体の免疫機構が正常に反応したかどうかが決め手になります。免疫がしっかり働いていれば、感染症が発症するリスクは低くなります。

よくニュースで「子供やお年寄りは感染症に十分注意しましょう」と案内されている理由は、免疫力が低い状態の人は感染しやすく、身体への影響も大きいためです。もちろん、手洗いやうがいなどで感染経路を徹底して減らすことはとても重要ですが、それと同様に大切なのは免疫力を高めておくことなのです。

免疫力を高めるには、良質な睡眠と適切な栄養摂取、適度な運動が良いとされています。運動は強すぎると反対に免疫機能を低下させてしまう危険があるので注意しましょう。階段の上り下りのような日常的な運動は、適度な有酸素運動としても筋力トレーニングとしてもおすすめの運動方法です。できるだけ足に負担をかけないしっかりした靴をはいて、チャンスがあったら階段を使うようにしましょう。

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<参考文献>
■国立健康・栄養研究所
『改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』』

■明治大学人文科学論集
『運動と免疫』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていない人は、年に1回以上、38度以上の高熱を出しやすくなるリスクが2.36倍になります。

A: エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていますか?
B: 年に1回以上、38度以上の高熱を出しますか?

A
はい いいえ
31.7%
98人
68.3%
211人
B
はい いいえ はい いいえ
4.21%
13人
27.51%
85人
18.12%
56人
50.16%
155人
Z検定値 2.61
オッズ比 2.36
信頼度 99.0%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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