風邪知らず?太極拳の健康効果
リスク
14.42倍

風邪知らず?太極拳の健康効果

月に1回以上、太極拳をおこなっていない人は、年に1回以上風邪を引きやすくなるリスクが14.42倍になります。

解説

深呼吸しながら身体を動かす

病気になれば医療機関で適切な治療を受けたいとしても、「病院に行く」というのは誰にとってもそれなりの負担です。複雑な予約システムや長い待ち時間、治療費などを考えると病院にはあまり行きたくない…とも思ってしまうもの。ですが、たとえば風邪であっても高熱や激しい咳など「寝ていれば治る」ですまない症状もあり、ジレンマを感じてしまいますね。

できれば普段の生活の中で、病気になりにくい予防ができれば嬉しいものです。予防を目標とする“心身療法”として考えられているものに、太極拳やヨガ、マッサージなどがあります。

太極拳は中国で生まれた武道の1つですが、現在は健康を促進する運動として広く普及しています。また、太極拳は「動く瞑想」とも呼ばれ、深く呼吸しながら身体をゆっくり、優しく、意識して動かすことで心と身体の両面から健康への効果が引き出すことができます。

日本での愛好者は150万人程度いるとされ、競技として行っている人はそのうちの7万人ほど。つまり、太極拳を行っているほとんどの人は、生涯続けられる適度な運動として楽しんでいるといえそうです。

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太極拳は万能薬!?

太極拳は心身の両面から効果を得られ、その健康効果に関するさまざまな報告があります。高齢化社会の中では、転倒予防や認知症予防などの介護予防として効果を発揮するとされています。また、自律神経を整えて全身の緊張状態が改善されることで、免疫力の改善、リラクゼーション効果や良質な睡眠、血流の改善や消化機能の向上が期待できます。

寒くなってくると風邪を引きやくなりますが、風邪のウイルスに負けないためのポイントは免疫力を高めること、良質な睡眠を得ること、そして適切な食事をすることが大事です。太極拳の効果と合わせて考えてみると、風邪の予防に必要な「免疫力」「良質の睡眠」「消化機能が良く働くこと」3つ全てが含まれています。ですから、風邪のシーズンにおすすめの予防法なのです。

今、太極拳を行っていなくても、「深く呼吸しながら身体をゆっくり、優しく、意識して動かす」運動であれば、心身療法の例として紹介したヨガやマッサージなども同様の効果が期待できます。風邪になったら病院に行って薬で治せばいい…ではなく、自分でできる予防方法を積極的に取り入れていきましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省『「統合医療」に係わる情報発信等推進事業』「統合医療」情報発信サイト
『太極拳』

■日本武術太極拳連盟
『概況』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、太極拳をおこなっていない人は、年に1回以上風邪を引きやすくなるリスクが14.42倍になります。

A: 月に1回以上、太極拳をおこなっていますか?
B: 年に1回以上風邪を引きますか?

A
はい いいえ
1.6%
5人
98.4%
304人
B
はい いいえ はい いいえ
0.32%
1人
1.29%
4人
77.02%
238人
21.36%
66人
Z検定値 3.09
オッズ比 14.42
信頼度 99.7%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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